吉原治良賞記念アート・プロジェクト2009mini Karin Pisarikova

京都での療育の前に立ち寄り見てきました。このところ、海外から招待されたアーティストさんや、日本に住んで活動している外国人アーティストさんの展覧会が集中的に開催されていて、その内容もそれぞれにユニークだし、面白い企画が多くて楽しいですね。
今日拝見した、Karin Pisarikovaさんも知らない作家さんでしたが、大阪に来て滞在しながら感じられた、水の豊かな街のイメージと、蔦のからまった建物のイメージとが合成されて、そこから、髪の毛を使ったインスタレーションへとつながるくだりは、親近感を覚えます。
過剰な髪の毛をまとった女性が海とともにあるイメージ、髪が水の中で揺れるイメージや、編みこんだ髪の網が、地図の道路網と重なり合うところは、ダヴィンチが婦人像を描きながら、髪の毛のウェーブが水流のカルマン渦へとイメージがずれていく様を連想させますが、Karin Pisarikovaさんの作品が面白かったのは、髪の毛自体が形を持ち始め、構造物となっているところですね。ランドスケープと人間の中間体として建築物があると僕はイメージしますが、髪の毛が構造を持ち、自立してシェルターになっているところユニークでした。また頭から垂れる長く太い髪の毛が、頭に被せられた冠と合わさって、巨大な指輪のように見えてきて、生物と構築物とアクセサリー的なものの領域が曖昧なものとなっている。真っ赤なキンメ鯛ニ匹を使っての女性の顔写真の作品も、同様に生物と構築物とアクセサリー的なものとが混合していく。Karin Pisarikovaさんにとって、言語的なもの=笑い=構築物とイメージされているのかもしれないですね。

吉原治良賞記念アート・プロジェクト2009mini Karin Pisarikova
http://www.osaka-art.jp/genbi/competition/yoshiwara_ap2009/karinpisarikova/indexmain.html

展示室Bで同時に開催されていた、吉原治良賞の今までの歩みの展示見ていて、随分前に一緒に信濃橋画廊で二人展したO君の作品が、何回目かのグランプリ作品として、記録が出ていて、その頃の事懐かしく思い出しました。O君はその後、アート制作をやめたと聞いていますが、また一緒にやってみたいなと思いました。