Phill Niblock [The Movement of People Working] フィル・ニブロック展+新作による演奏会

少し前に天王寺動物園でのremo scopeのワークショップで御世話になったremoさんのアトリエでのイベント。家から地下鉄で二駅の北加賀屋というところにあり、近くの木材工場へは仕事でよく通った辺りで、僕も好きな現場の雰囲気をそのまま活かしたアトリエでした。工場地帯が少しずつアートのちからによって変わりつつあるところも興味深いですね。海に近いし、昨日のチリの大地震津波警報が出ているので、どうしようか迷いましたが、もう一箇所、近くでイベントされている、より岸辺に近い名村造船所跡地のクリエイティブセンター大阪さんに電話でお聞きすると役所から避難勧告出ていないので開催するとの事だったので、てんま天神梅まつりの後、地下鉄乗って行きました。

アンケートにも感想として書き込みましたが、知らないアーティストさんだったし、どんな展示か分からなかったので、でかいモーター音を工場の音と思って、remoさんの展示はどこですか?と係りの方にお聞きすると、そこの2階でモニター使って上映されていて、聞こえていたモーター音そのものが作品の音でした。近辺のいろいろな職種の工場での製造場面を左右二つのモニターに映し出しています。そして大きな単調な工場の製造音のような引き伸ばされた響き。ソファや椅子が置かれていて観客は自由に好きなところで聞く事ができるようになっていましたが、でも能動的に何らかのかたちで、流れる映像や音に関わる事はできないし、少し不安な気持ちになってしまう。しばらく聞いていると、一旦音がフェイドアウトしていき、そして再び同じような音が聞こえてきたので、そこを区切りに1階へ降りました。
工場のままだけれど、工場では無いアトリエで、製造の光景が無加工な感じのテイストに加工されてスケールアップして、大音量の抑揚無く引き伸ばされた音とともに映し出されている。
偶然の津波警報による緊張と、でもどこかで破壊的なエネルギーを見てみたい感じてみたいという隠せない衝動とが混じって、何でもない音と工場の光景が記憶に強く残りました。

Phill Niblock [The Movement of People Working] フィル・ニブロック展+新作による演奏会
http://www.remo.or.jp/ja/