クリンもだん美術展2009

午後、応典院さんへ家族で出掛けました。ちょうど服部正氏(兵庫県立美術館学芸員)のセミナーが始ったところで、ぜひ御聞きくださいと案内してもらったのですが、アーチャンがすぐに帰りたがり途中で退席しました。概略お聞きしたのは、海外でのアウトサイダーアートと日本のそれとでは、かなり認識の有り方に違いがあるというくだり。
海外のアウトサイダーアートの専門美術館での定義は、「孤独、秘密、沈黙」との事。日本では知的障害者のアートという認識が強いらしいが、本来は専門教育を受けていない様々な人々のアートをそう呼ぶらしい。
アーチャンの場合は、アートを通じて様々なコミュニケーションのきっかけとなっているし、その意味から言えば、「孤独、秘密、沈黙」ではない。
日本のある障害者のアートをコレクションされたアウトサイダーアートの専門美術館の方に、「彼はよくおしゃべりするし、孤独ではないが?」と尋ねたところ、「彼のマインドが孤独だ」との回答であったらしい。
個人的には、絵画から作者の内面を読み取る事は、とても困難な作業であるし、時に誤解を生じさせることにもなると思うから、そのような視点や定義はどうなんだろうと思いますね。
少し前に、ある新聞社のコラム欄に、どういうくだりか忘れましたが、ヒトラーのような独裁者の描く絵画は、街の風景に人間を描かないというような事が書かれていて、ふーん、そうなんだと思って、ネット検索して確認してみたことがありました。でも、出てくる作品は、そのほとんどが、ごく普通の、人間も登場する平凡な風景画であった。思い込みとは恐ろしいものだと改めて思ってしまう。
アートを一定の定義で仕分けて見ることの恐ろしさでもある。

クリンもだん美術展2009
日時:11/29-12/12
場所:応典院ウォールギャラリー  大阪市天王寺区下寺町1-1-27
http://www.nskk.org/ikuno/nakami/gazou/ururimu/sonota/kuripanhu.html
npo法人聖公会生野センターのホームページより引用

アウトサイダー・アート (光文社新書)

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