「障害とアート研究会」

夜7時からの「障害とアート研究会」参加してきました。毎回様々な活動をされている方のお話を伺えるし、実践されている内容なので、自分自身の価値判断は交えないで、話されている内容をじっと見つめるように、していました。
でも今回は最初に話題提供者の五島智子さんが、実践されている視覚障害のある人とのワークショップを追体験するような形で、参加者がアイマスクを着けて、しばらく会場の中を手探りで歩き回った為か、また上映された舞台でのパフォーマンスのうち、知的障害のある全盲の少女のソロダンスの、レタスを抱えて時にはそれを食べながら踊る姿観て、食行動に異常のあるprader-willi症候群の娘のアーチャンのこと連想して、僕の情動が揺さぶられたのか、あまり冷静に聴けなかったところがありました。
元々、白虎社というグループで舞踊されていて、解散後、身体介護の仕事される中で、身障者の体の動きやケアでのやりとりなどが、ダンスの感覚に似ていることに気付いたのが、現在の活動の原点になったとの事。最初の頃の施設でのワークショップ、「「海は広いな」のバイオリン演奏(三拍子)を手で描く」の際に、視覚障害者の動きの独自性を発見(椅子に座って、腕を一番上まで真っ直ぐ伸ばし、次に右ひざ、左ひざと循環していく大きな動き)
以下、映像と五島さんの解説がありました(詳細省略)
様々なワークショップや舞台での発表など、映像&解説
2008年のフランスツアーへの流れ。
第二部として、会場参加者とのディスカッション
様々な参加者とのやり取りの中で、印象的だったのは、五島さんの立場は、ダンスを通じてコミュニケーションの場や空間を作ることであり、セラピーは主目的ではないというところでした。目的を決めると可能性も狭くなる、ゆるい状態が良いと。もしワークショップ参加者側から、機能訓練的な内容を求めてこられた場合、そこにアーティストの感性をプラスした何か新しいものが生まれるかもしれないが、これをやったからこのような効果や成果がありますと提示することは難しいと。
質問の最後のところで、少し質疑。
僕の印象として、今日の最初のアイマスク着けてのワークショップから感じた事として、信貴山戒壇巡り(通過儀礼のような形)のようなものを連想したのですが、ワークショップやアート通じて、漠然とした意味ですが救済のようなもの考えておられるのでしょうか?
そのような意識よりも、自分としてはダンス通じて、楽しい、お茶目な空間を作りたいと思ってきましたとの事。
多分、最近のアーチャンの様々な行動面、精神面の問題が出始めていることへの、僕なりの不安感があり、救済を求めている部分があって、漠然とお聞きしたのかもしれません。いろいろなワークショップ開催されているようですし、またアーチャンとお伺いしたいと思います。丁寧な回答感謝です。

▼第7回研究会:
話題提供者:五島智子
Dance&People代表。http://blog.canpan.info/d_a_p/
1981〜94年、舞踏グループ白虎社で活動。
様々な職を経てDance&People設立。多様な身体が出会いやり取りするダンスの環境作りに取り組む。
タイトル:「ダンスと見えないこと」をめぐって
発表内容:「介護はダンスだ!?」、「しでかすカラダ」など様々なWSや公演を開催しているDance&People。そのなかでも近年意欲的に取り組んできた視覚障害のある人とのダンス活動に焦点をあて、これまでの経緯やフランスツアーについて報告するとともに、その運営における問題や持続可能な活動のあり方について考えます。
日時:6月25日(木) 19時〜21時
場所:應典院 研修室B