こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。
担当のITさんとIDさん、2名の方で見ていただきました。

今日の課題
1、パソコン課題
2、はやよみ課題
3、フロスティグ
4、どうするゆうきくん

今日も療育はアーチャン一人で受けて、僕たち夫婦はスクリーンの奥で待機。

2の、はやよみ課題は、ランダムな数字や、ひらがな、文字と写真の組合せを早く読む、RAN(rapid automatized naming)課題と呼ばれるもの。読むのが苦手な子は遅くなる傾向があるとの事。
文字と写真とを組合せた課題では、1回目が1分23秒、2回目が1分と、かなり時間が掛かった様子。(同じ年齢の子供の場合、同じ課題を35秒程度で回答するらしい)
自分の知っているものと、課題として出されたものとのギャップに影響されやすい様子。魚をシャケと覚えていて、つまずいたり、椅子の写真が難しかったりした様子。ITさんは椅子の場合の理由がよく分からないとの事でしたが、ひょっとすると、療育の前に立ち寄ってきた、ヴォーリズさんの駒井邸のイベントで、床に敷き詰められた、ブルーの布のイメージが強く残っていて、課題の写真の色が、椅子も夜景も舟のある風景も良く似た青い色調であったので、そのイメージに引っ張られたのかもしれません。
3の、フロスティグ検査は、複雑に重なり合った線画のくだものの静物画の中から、バナナや、リンゴ、ぶどうを探し出して、いくつあるか答える課題。バナナとリンゴは数も5個と4個と少ないのですぐに答えられたようですが、ぶどうは数が多いので、数えているうちに、無限に続いていってしまう様子だったので、ITさんが、鉛筆で数字を打ちながら数えるように指示すると、何とか回答できた様子。数字の流れを見ると、左上側から始まり、ぐるぐると廻りながらなぞっていたので、どんな風に認識しながら数えているかよく分かります。
4の、どうするゆうきくんは、ビデオで、ゆうきくんが困ってしまった場面を見せて、アーチャンだったらどうするか答える課題。(社会的場面課題)
迷子になったらどうしますか?の問いに、お母さんに電話します、と答えていましたが、続いて、番号は知っていますか?に対しては、うまく答える事ができていませんでした。でも、対処の仕方としては、よく考えている様子なので、他の社会性に関連する課題含めて、社会性の部分は良い感じらしく、生きていく上でのちからとして、伸ばしていきたいところですね。

前回実施していただいた、WISC検査の分析結果もお聞きしました。A4サイズのレポート6枚にびっしりと詳細な分析をしていただいて、これからの関わりかたを考えていく上で、弱いところ、伸ばしていくべきところ、良く分かります。これだけの内容のものを、療育の研究が目的とは言え、書いて頂いてありがたいですね。感謝致します。療育園、小学校の先生方にもコピーをお渡ししようと思います。

WISC検査の分析結果
知能の検査は、あくまで持っている能力の一部でしかありません、と前置きいただいて解説いただきましたが、知能指数の数値だけみれば、現状は、中程度の知的な遅れあるとされるようです。以前、講演会でお聞きした、鳥取大学の大野先生のお話http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/10000502の中に、prader-willi症候群の知能についてのアンケート結果がありましたので、概ね想定はしていましたが、現実にお聞きすると、やはりアーチャンの良いところに目を向けて、伸ばしてあげたいなと、改めて感じました。思わず「長所発掘!!」と叫んでしまいました。
詳細な内容に付いては、リポート読んでからまた後日書ける内容があれば、書き込んでいきたいと思いますが、ポイントとしては、やはり短期記憶のところ、注意記憶が弱いようですね。特に耳で聞く課題は苦手な様子で、これも大野先生の御研究http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/10000501の指摘の通り、関わり方に留意が必要なところですね。
パズル課題がもう少し出来るのではとITさんは予想されていたそうですが、細部の細かな模様の理解が難しかったらしく、以前の検査で、判明していた、小さな「ひ」の文字でできた大きな「く」の文字を見て描くと、おおきな「く」のみ描いたように、視覚認知において、細部の認識が難しい様子であり、それが影響しているようですね。
WISC検査においても、社会性の理解は良いらしく、小さい頃から、お友達が積極的に絵手紙交換誘ってくれたりしたおかげで、他者とコミュニケーションとろうとするところ、社会性育んでこれたようですね。

療育の休憩のあいだに、また紙粘土でいろいろ作りました。療育に来る前に、大学の近くでのイベントに立ち寄ってきて、農学部さんの構内通らせてもらい、たまたま乗馬訓練で、馬を引いているところに遭遇して、アーチャン、馬のイメージ残ったみたいで、お馬さん作りました。右上がアーチャンのお馬さん、左下がカーチャンの作った、トカゲ。左上の三点が、IDさんの作った、ウサギ、ヘビ、一反木綿。馬のアップはピンボケ。