こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。
担当のITさんとIDさんと、2名の方で見ていただきました。

今日の課題
1、パソコン課題
2、ひらがな再生課題
3、いつどこクイズ
4、算数課題

今日も療育はアーチャン一人で受けて、僕たち夫婦はスクリーンの奥で待機。

2、ひらがな再生課題は、過去の読み書き検査でうまく出来なかった課題が出されたようです。今日は半分くらい正答できたようです。
文字に濁点等が入ると正解できない場合がある。
一文字課題で出来ないものでも、「前方ヒント課題」「後方ヒント課題」によって答えられる場合があるので、次回再度出題方法を検証していただいて、学習予定。
3、いつどこクイズは、聴覚刺激のみの課題で脳への負荷を高めて学習。短期記憶の弱さを良くしていくには、アーチャンの現在の短期記憶のチャンクと同じか少し高い課題を繰り返して、伸ばしていくのが有効との事。
また文字のみの課題では3/5回答、絵を見せる場合で、4/5と答えやすくなっている様子。
4、算数課題は、足し算の、そろばん状の器具を使って学習。例題として7+2=の場合、最初に7を玉で作り、隣の列の玉で3を作り、次に7を指差し「7だね」と指示して、7を頭に入れて、7,8,9と数えて答えを理解して回答。大きい数を覚えるやり方は、小学校でも馴染んでいる様子なので、今日の課題にもよく答えていた様子。
次に数の列から文字を切り出す課題をしたが、問題を理解するのが難しかった様子。
1の次の数は?とか、3の次の数は?については、正解していたが、8の次の数は?に対しては7と誤答。
3個の数列を書く課題は自発的には出来なかったので。3個の丸印で誘導。1〜3については何とか答えることが出来たが、7〜9については、7しか答えられなかった。次に4個の数列の課題については、短期記憶の負荷が高いのか難しかった様子。
数の認識については、「1〜3」については、覚えやすい量で、あまり日常生活で数使わないある民族では「1〜3と他はいっぱい」という表現をするという。

前々回に受けたフロスティッグ視知覚検査の結果。http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080607/ryouiku
8歳の健常児の場合の知覚指数の平均値が100程度に対して64.1点。特に第三課題の複雑な図形から丸や四角を取り出してマーキングするところは4歳レベル程度らしく、でも第四課題の、方向が一つだけ違うものを選び出す課題では、8歳レベルの能力があるとの事で、細部の認知が苦手な傾向があると思われるようです。少し前の「ちいさな「ひ」の文字で形作られた「く」の文字の認識の課題」でも、指摘されれば、小さな「ひ」は認識できた様子なので、療育の課題を工夫していただいて、弱いところが伸びてくれればと思います。

今日も、療育の後、ITさんから詳しい解説を頂きました。その間、アーチャンはIDさんといろいろ遊んでいただいて楽しく過ごせました。今日も丁寧な対応感謝です。
ITさんからいただいた、算数についてのテキストを帰路電車の中で読んでいると、足し算や引き算より、掛け算の方が、九九で言葉として繰り返し言う事で慣れ親しんでいるので、一桁の計算では処理が早いらしい。さらに言語的な記憶の少ない引き算は言語的な手掛かりより、数量を認識している脳の部分を使って処理をするらしい。
カーチャンの話では昨日小学校の先生から、算数の授業で引き算のプリントを渡された時、アーチャン嫌がって受取を拒否したらしい。アーチャンは九九は比較的よく覚えていて一桁の掛け算は得意な様子なので、ITさんのテキストを読みながら、prader-willi症候群の場合、数量を認識している脳の領域に変異があるのかもしれないなと感じていました。変異があってもまだ脳の可塑性があって何とか弱いところ補ってくれるのか分りませんが、様々な療育の効果に期待したいと思います。