若冲の動植綵絵の配置

相国寺承天閣美術館での動植綵絵の配置は、当時の資料が無く、今回の展示は研究者さん達と相国寺さんとの共同研究の結果としての回答とされているようですね。
個人的に、いろいろ気になるところや、実際に観て違和感のあったところなど、カーチャンと話し合っていて、資料が無いのだからと、素人なりに、自由に自分なりに並び替えて、想像してみる。
一番違和感のあったのは、老松鸚鵡図(オーム)の位置でした。正面を舞台の鏡板のように見立てると、釈迦三尊像の両脇は、やはり老松で固めたい。しかも老松図は四点と左右対称なので、左から「老松白鶏図」「老松白凰図」「老松孔雀図」「老松鸚鵡図」と並べて、鏡板とする。その脇を鶏のみで描かれた「群鶏図」「大鶏雌雄図」を配置する。これらは季節感とは縁の無いものと感じる。
そこで両サイドをどのようなコンセプトで並べるか?
釈迦三尊像を拝する軸を、東西軸と解釈して、正面に対して右手が北、左手を南とすれば、北には秋や冬の景色や、冷たい海の底の群魚図が適するだろう。南には、薔薇、牡丹、梅、向日葵、などの春から夏にかけての活気のある花と動物の絵が並ぶと思う。こうして並べてみると、ほぼ全ての主軸の動物達が釈迦三尊像の方へ顔を向けることになる。
会場でもう一つ違和感があったのは、左手手前に鯛のいる「群魚図」が置かれていて、いきなり釈迦三尊像から遠ざかるように見える形になっていたことと、群魚図が左右対称に離れて置かれていたので、並べた時の、魚の向きのベクトル感の強さが失われていた事ですね。これらを同じ面でならべると、とても強い表現となると思う。
若冲はどんな風にイメージしたのか想像するだけで楽しいですね。その時々のテーマに応じて、適宜配置は自由に置き換えていたのかもしれないですね。