脳の中の水分子 中田力著を読む

図書館から借りてきていた本を読む。fMRIのシステムを作られた世界的な権威の方ですね。先生の御考えでは、遺伝子によってたんぱく質がつくられた後、どのようにして形態が作られていくのかは、遺伝子の作用だけではなく、細胞を取り囲む水の作用があると言う。それらをまとめた水性相理論、渦理論などが詳しく述べられていて、とても興味深い著作です。最後の方で中田先生は下記のようなことを書いておられ、その御考えに共鳴します。一部引用

(前略)私は渦理論そのものを、自分といっしょにあの世までもっていこうと考えていた。ポーリングに報告さえできれば良いのである。自分の人生の目標はそれで十分達成できる。
「本を書けばいい」
新潟に遊びに来たカリフォルニア大学の教え子はあっさりと言った。
科学者は、それが読まれるか読まれないかとは無関係に、自分の仕事を活字にしておかなければならない義務があるという。私がポーリングの論文を見つけ出したように、だれかが、私の渦理論を見つけ出すかもしれないからである。
(なるほど)
そして渦理論は活字になった。
2000年のことである。

脳のなかの水分子―意識が創られるとき

脳のなかの水分子―意識が創られるとき

prader-willi症候群の治療法開発に関する研究も、様々な関係者や、まったくPWSとは無関係な研究者さんに知っていただく事で、道が開けるのかも知れません。情報をいかに開かれた形で伝えるのか、ということに関して、改めて、上の文章を読んで思いました。