いつもの中古本屋さんで、本購入。

最近、毎日のように打合せで出掛けているので、帰りに駅の中古本屋さんに立ち寄ることが多い。ここは少し前の美術館の展覧会のカタログの良いものがたくさん出るので、毎日のように買ってしまう。

『大顔展』カタログ
http://www.kahaku.go.jp/special/past/kao-ten/
1999年国立科学博物館他で開催されたもの、現在でもHP残されていて、充実した内容のものですね。見逃した展覧会でも、こうして知る事で、新しい発想の手掛かりになる。
特にパンフレットの表紙を飾るラジカル鈴木さんの顔のイラストが素晴らしいですね。以前拝読した山口真美さんの『赤ちゃんは顔を読む』の表紙もラジカル鈴木さんの美しい顔の絵だし、また読んでみようと、図書館に予約して、届いたところだったから、とても嬉しい。この展覧会に山口真美さんも参加されていますね。

赤ちゃんは顔をよむ―視覚と心の発達学

赤ちゃんは顔をよむ―視覚と心の発達学

ジェリコー展』カタログ
1987年神奈川県立近代美術館他で開催されたもの。ジェリコー(1791〜1824)僕はあまりよく知らなかった作家であったけれど、作品のなかに競馬の絵があり、強く印象に残った。

ジェリコー、競馬1821年ごろ
http://cartelfr.louvre.fr/cartelfr/visite?srv=car_not_frame&idNotice=15359
ルーブル美術館のHPより

先日見た『ミラノ展』http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20051016#artに出展されていたセガンティーニの馬の絵も同じように、両足が揃って動いていて、シネマ技術が発達する前の、人間的な感覚的には、こんな風に感じられているんだという事を意識させる、絵画に今は興味がありますね。スローモーション等、僕達は知っているから、いろいろなものの動き方のリアルな姿を知覚することが出来るけれど、技術が無かった頃の、想像で補うところに面白さを感じる。
カタログの解説には、下記のように記されている。

類型化の明白な版画から図像を借りた完成作の馬のポーズは、1887年にマイブリッジが走る馬の分解写真を発表して以来、現実には有り得ない間違った足の運びをしていると指摘されるようになった。

これを、「現実には有り得ない間違った足の運び」と捉えるのと、想像力の産物と捉えるのとでは、絵画の有りようがまったく違ったものになってしまう。この時代の周辺の作家達、もちろんゴッホも含めて、好きな作家が多いですね。

『西洋の美術』その空間表現の流れ展のカタログ
1987年国立西洋美術館にて開催されたもの。
この展覧会は企画も素晴らしいけれど、カタログに収録されている論文も充実したものとなっている。主なものを上げると、
「西洋美術と空間の知覚」EHゴンブリッチ
ルネッサンスの空間と絵画における遠近法の誕生」マルコ・キアリー
「第四次元」ジョルジョ・デ・マルキス
これ以外に過去の歴史について簡潔にまとめられたテキストが、12も載せられている。
この内の「第四次元」(ジョルジョ・デ・マルキス著)は、20世紀以降の、近現代美術について概説しているけれど、そのうち初期のアール・デコの時代背景について述べられていると思われる箇所は、先日の『アール・デコ』展の充実した展示構成によって理解した、民族文化や原始文化への当時のアーティストたちの興味の部分が、より深く理解できて、さらなる理解の手掛かりが得られました。ジョルジョ・デ・マルキス氏が、どんな方なのか、まったく知らないので、少し検索して、著作等あれば、読んでみようと思う。
下記の著作だけのようですね。また図書館に予約してみようと思う。

アヴァンギャルド芸術論

アヴァンギャルド芸術論