「新撰組!」第28回「そして池田屋へ」を観る

前半のクライマックス、池田屋事件の回でした。今も美しい京の街を探索する場面、きれいな木橋と記憶に残るシーンの連続。近藤勇率いる精鋭10名の突入時の人員配置は、表側待機3名+突入隊4名+裏側待機3名(歴史街道の情報参照)と、3-4-3のフォーメーション。
池田屋で謀議していた浪士達が見張りも無く、鎖帷子防具も無しとあれば、突入隊4名で充分であったのだろう。土方隊到着後、それまでの「切れ、切れ」の掛け声から「生け捕れ」に変わったと資料等ではあるが、三谷さんは最後まで、浪士を切り捨てる描写選んでいたが、狙いは何だろうか?
池田屋事件で、これで明治維新が早まったとする説と遅くなったとする説とあるらしいけれど、新撰組に、そのような歴史認識というのか、大きな視点はたぶん無かったんでしょうね。資料読むと土方歳三は、事後処理含めて現場に後から駆けつけた会津の援軍には一歩も中に入れさせず、全て仕切ったとあったが、今日の描かれ方のように、近藤が援軍の出入り止めようとする土方を制して、帰路につく方が、彼らが支えていた世界の大きさ加減がよく伝わり良かったのではないかと思う。
戦闘の場面、壊れていく池田屋の家屋調度見ていて、「劇的ビフォーアフター」の解体シーン思い出す。古い秩序が壊れて新しくなる気持ちのよさに近く、何となく家屋が生きているような感触すらあった。解体した後、どんな姿を描くのか?その姿を描くという部分が新撰組には欠けていた。
戦いの後、吐血して倒れた沖田の周囲を花びらが舞うシーンは、何となく映画「グリーンマイル」の囚人が超能力発揮した後の、毒気を吐き出すシーンのようで、不思議な印象。沖田だけが防具無しで軽やかに戦っていたから、悲惨な殺戮シーンがどこかで幻想となっていく。

http://www3.nhk.or.jp/taiga/topic/ikedaya/f_ikedaya.html
NHKの公式HP こだわりポイントから、それぞれの池田屋沖田総司