「福祉を変える経営〜障害者の月給1万円からの脱出」小倉 昌男 (著)を読む(図書館で借りる)

prader-willi2004-01-08

http://www.yamatofukushizaidan.or.jp/
ブックレビューから

Amazon.co.jp
ヤマト運輸の経営者として、かつて宅急便で物流業界に革命を起こした人物が、福祉の世界を変えようとしている。著者は、障害者が健常者と同じ立場で暮らせるというノーマライゼーションを実現するためには、障害者がきちんと働いて稼ぐことが基本だと考える。しかし、障害者の就労施設である民間の共同作業所で働く人々の月給は1万円にも満たず、障害者が自立することはほとんど不可能である。そしてこの現実を変えるには、共同作業所の経営改革を行う必要があると指摘する。
本書の大部分は、ヤマト福祉財団http://www.yamatofukushizaidan.or.jp/が共同作業所の運営者を対象に行っている「経営セミナー」の講義内容に沿ったもので、「経済とは何か」「経営とは何か」と題し、市場経済の仕組みの中で、どのように利益を得ていくかという具体的な経営ノウハウが盛り込まれている。さらに、実際に障害者に対し月給10万円以上を支払い、フランチャイズを拡大しているスワンベーカリーなどの事例も紹介されている。
本書を読み進めると、著者の福祉に対する考え方や取り組み姿勢には、宅急便に対するそれとの共通点が多いことに気づく。たとえば、働く人のやる気を引き出すことが健常者や障害者を問わず何よりも重要なことと考えているし、国や地方公共団体を頼りにしすぎることもない。もしヤマト運輸と同様にさまざまな企業が経営の知恵を出し合えば、社会全体のノーマライゼーションの実現に一歩近づくことができるのではないだろうか。福祉にとどまらず、企業のあり方についても考えさせられる1冊である。(戸田圭司)

図書館に予約していた本がようやく借りられた。
小倉さんは保有株式200万株(評価額24億円)の私財投じて財団設立されたようだ。御自身は無報酬とのこと。
ここで取り上げられている共同作業所の事例
1、パン製造販売(スワンベーカリー)
2、豆腐製造販売
3、食品・ウェスの製造、クリーニング
4、ビル清掃
5、清掃・警備・家庭用品の宅配
などがあるようです。
PWSにとって、どのような形で社会に参加することが望ましいのか、少しづつ考えていきたいなと思います。自分の事務所の改組も真剣に考えてみる。