「liquid section」

アーチャン連れて行く予定だった今池子どもの家さんの工作教室が休止になったので、カーチャン美術講師の仕事から帰宅するまで、少し寄り道しました。

本町駅で降りて、2KWギャラリーさんへ。

グループ展「liquid section」
http://www.2kwgallery.com/2kwGal_crrnt.html

ここは私の銅版画の先生のアトリエがすぐ近くにあるし、展覧会もされたことあるので、場所は知っていました。
出展者のうち、田中秀介さんと鮫島ゆいさんは、the three konohanaさんで拝見した作家さん(展覧会の情報もfacebook経由で知りました)
それぞれthe three konohanaで拝見した時から、変化発展されていて、点数は会場も小さいので少なかったですが、印象的なものでした。
田中秀介さんの風景画は見覚えのある場所だったので、お聞きするとやはりその場所だった。
最近、いろいろなものや事がシンクロし易いというか、そう感じる事が多いのですが、この風景画の中に様々登場する人々自体が、その場所において環境とシンクロしているように感じる。
以前拝見した際に感じた、NHKの朝ドラのセットのような特性の(主人公の家や職場はL字やT字の交差点近くに置かれる=直線路だと、果てまで全部造らないといけない)ある光景を意識的、無意識的に選択されている。
今回、紙に描くことで、キャンバスに描く場合と異なり絵具を自由に扱えない環境に、自分自身を置いてチャレンジされたとのこと。
自分の思い通りにならない=平面のあらゆる部分が統制を離れ、異なる時制を持ち始める事との闘いに没入していくような、そんな風な試みと感じました。
環境へ没入していくことと、それを表現とすることの限界のようなもの。
最近いろいろシンクロして感じている、浮遊することへの思い=観察者中心座標系と環境中心座標系との関係が混乱し薄くなっていくかのような。
同時に田中さんが言われた、理想形の部分の導入は、絵画の中に恒常性のようなものを持ち込む試みなのかと感じ、新たな展開を見てみたい気持ちになりました。

田中さんの以前の展覧会のブログ記録。
「まよわないために -not to stray-」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140307/art

鮫島ゆいさんの作品は、とても明快で親しみ易い絵画と立体の構成でした。
ちょっとユーモラスな人を抱擁するような雰囲気にも感じるドラムスティックの造形と絵画の中の、虚像としてのドラムスティックとが動かないけれど、動的な関係に置かれていました。
ここでも没入していくことと、メタな視点とが同時にあるような、浮遊感がありました。

鮫島ゆいさんの以前拝見した展覧会のブログ記録。
「中空の雲をつかむように」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140329/art