今年の振り返り(アートについて)
今年は美術館は2回と少なかったですね。ギャラリー系が36回で、合計38回展覧会観に行きました。
今年アートのことで一番嬉しかったのは、20代の頃、一緒に2人展させていただいて、ほぼ同じ時期にアート制作からフェイドアウトしてしまった岡村ヒロシさんが、活動再開されて個展を開かれたことですね。
当時、吉原治良賞グランプリ受賞された実力からして、きっと再評価を得ていかれるものと祈念しています。岡村ヒロシ 展「労働からみえるもの」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20141127/art
以前からワークショップ等でアーチャンがお世話になっている竹工芸の田辺小竹さんの田辺竹雲斎歴代展もインパクトのある展覧会でした。三代目の田辺竹雲斎さん(小竹さんの父上)がお亡くなりになられた直後の展覧会で、歴代の素晴らしい竹工芸や伊勢神宮の式年遷宮に伴う葛編み箱の制作のビデオ等から伝わる緊張感とともに、実演コーナーで、小竹さんの子供さんと共に花篭作られている光景はとても感動的でした。
昨年、アートスペースジューソーさんで出会った増本泰斗さんの「予言と矛盾のアクロバット」主催の「stolen names」展も衝撃的でした。
昨年の展覧会のあと対談させていただき、編集されたものが「フリースタイル・ダイアローグ」として出版されたことも個人的には今までの自分自身の考え方を振り返る良い機会となりましたし、「stolen names」展は、対談で得た思考の延長上のことを確認する機会となりました。
「予言と矛盾のアクロバット」の企画は来年以降もずっと継続されるそうですが、何をされるのか予想もつきません。「stolen names」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20141227/art
増本泰斗さんと出合ったアートスペースジューソーさん(谷川恵子さん)の企画は今年もとても刺激的なものでした。
特にmizutamaさんのtokoro展シリーズは2月に始まり、来年の1月まで毎月月末の土日の2日間開催されるという2年またぎのロングランで、かつギャラリーのメインスペースではなく、それ以外の廊下や諸室で展示されるという、ある意味でアーティストにかなりの強度を要請するような企画と感じますが、mizutamaさんはそれをとても軽くこなしてる感があり、興味が尽きません。まだ全部終っていないので、記録は詳細に書けませんが、示唆に富むものになりそうです。松尾宇人展&mizutama「tokoro」展#01
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140222/art迫鉄平個展 Made of stone
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140709/art
このはな区のthe three konohanaの山中俊広さんの企画は今年も多様な作家、作品を知る機会となりました。また当方のようなアマチュアのレビューを毎回転載いただき、とても刺激になっています。
奈良の地域アートの企画もとても刺激的なものでした。「飛鳥 アートヴィレッジ 2013」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140321/artthe three konohanaでの様々な展覧会もとても刺激的でした。
Director’s Eye #2 野口 卓海 「まよわないために -not to stray-」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140307/artKonohana’s Eye #3 鮫島 ゆい 展「中空の雲をつかむように」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140329/artKonohana’s Eye #4 小出 麻代 展「空のうえ 水のした 七色のはじまり」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140723/artKonohana’s Eye #6 小松原 智史 展 「エノマノコノマノエ」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20141129/art
昨年急死された後々田さんの梅香堂が前谷康太郎さん達によってASYLとして再生されたことも嬉しい出来事でした。
オープニングの前谷康太郎さんとボン靖ニさんの二人展、次の下道基行さんの後々田さん追悼の「いつか開封される手紙」展もそれぞれ強烈なインパクトがありました。
そして次の杉山卓朗さんの「Loop」展は、個人的には今年最も印象的なアートでした。杉山卓朗「Loop」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20141214/art
今年の振り返り(アート番外編)
無人島にて「80年代」の彫刻/立体/インスタレーションhttp://aube.kyoto-art.ac.jp/archives/1449
観に行けなかったが福岡道雄さんの作品が現代アート知る契機だった当時の私として、想像するだけで刺激的な企画。ホント行きたかったな。
福岡さんの作品を最初に観たのはまだ10代の終わりごろだったと思う。
現代アートなんてまったく知らなかったものにとって、それは衝撃以外のなにものでもなかったし、このようなクオリティが何でこんなにも評価が低いのか、信じられない思いがありましたから、こうして現代において、若いキュレーターさんがまた新しい視点で再評価されるのは、とても嬉しいことです。キュレーターの長谷川新さんは来年早々に、the three konohanaで企画展されるようですし、とても楽しみです。
福岡さんの時代への再評価に対して感謝したいですね。