ウフィツィ美術館 自画像コレクション 巨匠たちの「秘めた素顔」 1664-2010

午後、中之島国立国際美術館へ。朝日友の会のカードで無料入場。

ウフィツィ美術館 自画像コレクション 巨匠たちの「秘めた素顔」 1664-2010
http://www.asahi.com/event/uffizi/
公式ホームページより

何となく楽しげな名前の美術館、解説読むと「トスカーナ大公国の司法府としてジョルジョ・ヴァザーリ(1511-74年)が設計した建物が使われているため「ウフィツィ(オフィス)」の名が付いています。」とありますね。
この展覧会を見てみたいなと思ったのは、 自画像コレクションは、1664年にメディチ家の大公コジモ2世(1590-1621年)の末子レオポルド・デ・メディチ枢機卿(1615-75年)が、始たとあり、その時代、17世紀のスペイン宮廷画家ファンカレーニョ・デ・ミランダさんが、1680年頃にアーチャンと同じprader-willi症候群ではないかとされる少女の肖像画を描いており、時代の空気感じられるようなもの、関連するものはとりあえず見ておこうと思うからです。
あまり知らない作家ばかりということもあり、17世紀中頃の時代への興味から、時代区分5章あるうちの、第1章レオポルド枢機卿メディチ家の自画像コレクション(1664-1736)を特に意識してみていました。
当時の流行なのか、3点ほど、だまし絵的な描写の自画像があり、そのうちアンニーバレ・カラッチの作品のように、画面の中に置かれた自画像を描いていたり、ヨハネス・グンプのようにこちらは鏡に映っている自分と、描かれた自画像と、それを真中で描いている画家自身を背後から全体で描いているという複雑な、メタな視線を強く意識した作品でした。
第1章のどの作品も色調は暗くて、それはこの時代、観測史上最も太陽活動が低下して、とても寒い時期でもあったらしく、静かな印象。特に破産直前のレンブラントの自画像の複雑な重い表情、暗い目が印象的でした。
レオポルドは「自画像こそが芸術家のスタイル、芸術観、世界観、自意識すべてを内包している」と考えたらしく、この美の殿堂にコレクションが収蔵されることを多くの芸術家が望み、寄贈された多くの作品群が、それぞれの時代の雰囲気をよく伝えているようです。
自画像というジャンルに何故着目して、コレクションしようとしたのか、画家のたたずまいそのものがイメージの源泉であったんでしょうね。