あなたのモナリザを描こう

カーチャン母校の大阪芸大主催のイベントに参加してきました。
毎日参加者の中から、幼児、小学校、中学校、高校とそれぞれの年齢層別にグランプリが選ばれて賞品(なんばパークスの商品券3万円分らしい)が貰えるという企画。
僕の関心は、賞品も欲しいですが、それよりも、出品作品の条件として、唯一、モナリザをテーマとしていることから(21世紀のダヴィンチを探せhttp://www.nambaparks.com/event_window/2008/06/01.htmlの関連企画ゆえに)に人物像でも動物でも何でも描く対象は良いが、ただし手をモナリザのように組んでいるところを描く事とあり、それをアーチャンが描けるか否かというところに、ありました。
アーチャンの場合、今までたくさん描いてきた絵のどれも、そのように重なるところの描写が出来ていませんし、あらゆるものを分離して描く傾向があり、それは他のprader-willi症候群のお友達や、成人の方の作品を見ても同じ傾向があるので、それはこの子達の認知のあり方の一つの特徴というのか、視覚認知の変異であるかも知れないなと感じているので、それはこちらからの様々な問い掛けや刺激によって、可塑性があり、認知や表現が可能になるのか、もしくは限界があって、そのような認知や表現が、この子たちの個性であるのか、知っておきたいという願いがあるからです。
結果的に、今日見てみた感じでは、なかなか難しい印象がありますね。こうやって、様々な刺激を与えていくと、まだ可塑性のあるうちであれば、重なる画像の認知や表現が容易にできるようになるのか、分かりませんし、こうやって刺激を与える事が他の面でも良い作用をしてくれるのか、むしろ負荷が掛かるだけで本人的にはストレスになるだけなのか、どうなのか知っておきたいところです。
prader-willi症候群の視覚認知のそのような特性については、研究が見当たりませんし、研究して欲しいと思いますし、またその為にも、多くのprader-willi症候群の患者の方の、描かれたものを、広く収集して公開して欲しいなと思いますね。

あなたのモナリザを描こう
http://www.nambaparks.com/event_window/2008/06/02.html


手を組んでいるところ、モデルとして目の前でして見せても、描くのはこの程度が限界でした。カーチャンが見本的に、二重線で描いたもの見せても、最初二本の腕は重ならず、並行に描かれて、指摘すると、もう一本の腕を描きましたが、腕を組む(腕と腕が重なった様を描くということが短期記憶の弱さ故か、何度も「むつかしい」と連発して、描けませんでした。でも、後で、自分で腕をモナリザのように組むところ真似ていましたから、認知はできているのだと感じます)という、重なる画像を描くというのは、かなり負荷が掛かってしまう印象でした。

会場で描いているところ