東學墨画展「天妖」を観る

会場はとても密度の高い演出となっていて、先日拝見した、grafでの「狭間の旅人 津田直 -作品集「漕」」http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080608/artでもコラボされていた、華道家の片桐功敦さんの生花もあり、華やかな雰囲気がありました。作品のイメージは会場アンケートにも書き込んだのですが、線の表情がとても繊細で、銅板画の表現にむしろ近いような印象を感じました。上段の展示室の床に銅板画の印刷の時に使用する淡いクリーム色のフェルトが敷き詰められていて、その思いを強くしたのかもしれません。
作品世界は、やや説明的というかイメージを固定化するような、ところがあり、描写の精密さが、かえって観るものの想像力を抑圧しているようなところがあり、そこを突破できればと空想した。しかし、それは僕が敬愛するハンス・ベルメールhttp://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20061021/art2のような、反世界的なものへと崩壊してゆき、パブリックな場所での公開が不可能なものとなってしまうのかもしれませんが。
それとは別に、ユニークな試みとして、作品集の出版までの記録を会場外のホールで上映していて、そのようなハードへのこだわりに良い印象を得ました。

東學墨画展「天妖」
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