『大阪維新』プログラム(案)
『大阪維新』プログラム(案)
http://www.pref.osaka.jp/kikaku/ishin/ishin_index.html
大阪府のHPより引用
ちょうど、今日の朝日新聞夕刊の文化欄に、「文化のお値段 特別編」として大阪府の文化施策見直しについて、三人の方(中田宏横浜市長、平田オリザさん、上山信一慶応大学教授&大阪府特別顧問)のインタヴューが載っていました。
一部引用
2008年6月5日 朝日新聞夕刊 文化欄「文化のお値段 特別編」より一部引用
中田宏横浜市長のインタヴュー一部引用
クリエイティブシティをうたう横浜市は、文化を今後の発展の柱に据えている。市を活性化するために文化芸術を推奨しようという発想で、今や、いくつかある市政の最上位概念の柱中の柱だ。ただ文化芸術の中身に市は口を出さず、中間NPOや市民にお任せしている。(中略)
福祉のように義務的経費で否応無く増えるものはある。しかし、選択可能な政策的経費のうち、ほかは削っても文化振興を増やした横浜市は珍しいと思う。(後略)上山信一慶応大学教授&大阪府特別顧問
公立文化施設は「とりあえずハコだけでも」「一部の専門家による啓蒙的発想」という考えでつくられたケースが多く、ほとんどが役所仕事の典型です。過大で高コストで閑散として。(中略)
文化行政は高度経済成長の中で、道路、港湾などに比べ、後回しにされてきた面がある。いま改革対象とされている文化施設の現場から伝わってくる反発もあながち分らなくもない。でも、たとえば医療過誤が多い病院を改革しようとして、「医療は神聖だ」と病院側から反論されたらどうか。利用者からすればおかしいでしょう。同じことが文化行政にも言える。
もう一つ大事なのは文化施設の見直しは必ずしも売却益を得る為だけではないということ。この改革では漫然と進められてきた文化行政や聖域化されてきた文化施設のあり方が問題視されている。廃止か維持か、という矮小な二者択一論ではない。その意味で1100億円の予算削減の問題と文化行政の見直しは分けて考えるべきです。そもそも5兆円もの府の負債からみればハコモノを売ったってありようを見直したって、焼け石に水。
横浜市の中田市長の手腕を大いに評価されている上山信一慶応大学教授&大阪府特別顧問の意見が、今回の橋本知事の『大阪維新』プログラム(案)にどの程度反映されているのか分りませんが、書かれている内容そのままだとすれば、要するに、今回の文化施設の見直しは、1100億円の予算削減とは別の観点からも判断した、という事ですね?
予算削減という一次元的な論法だけの発想ではないとするならば、橋下知事の文化に対する否定的なコメントhttp://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080531/memoや上山信一氏の差別や偏見を助長するような問題発言http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080513/memoを批判的に踏まえれば、明るい世界が見えてきませんし、見直しの、その意図もきちんと説明していただきたいですね。
医療過誤と文化行政の対比は、いくらなんでも無茶苦茶だ。「そもそも5兆円もの府の負債からみればハコモノを売ったってありようを見直したって、焼け石に水。」7月の議会でこれら発言について質問していただきたいですね。
- 作者: 南学,上山信一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2004/12/22
- メディア: 単行本
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (6件) を見る