プロフェッショナル 仕事の流儀

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で、鬼師(鬼瓦職人)の美濃部惠一さんの「人事を尽くして鬼になる」を見る。

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070710/index.html
プロフェッショナル 仕事の流儀のHP

とても素晴らしい内容でした。途中から自然と正座して拝見。
南禅寺の鬼瓦の再生の仕事で、形を写していて違和感があり、悩む中で、昔の鬼師が作った鬼瓦を手で触ってみて、目で見ただけでは理解出来なかったところが、すぐに分ったと言う。作った人の性格までが触る事で読み取れる。魂を写す事と言われる。
キャスターの茂木健一郎さんが、専門の脳科学の知見から、詳しくそのことのユニークさを解説されていますね。茂木さんは御自分のblogの中で、最近、「偶有性の自然誌」というアイデアをこれからのテーマとして展開していくと、講演されていて、それら含めて、いっさいのアイデアを公開されていて、その出し惜しみのなさに、いつも共感しています。

美濃邉さんは、表面を指でなぞることによって、作者と対話し通じあうという。
 これは「感覚系の学習」と「運動系の学習」の違いだ。他人の心を理解するというのは、案外「運動系の学習」に近いということだ。見るというのは明らかに感覚系の学習であり、指でなぞるというのは、実際にそれを作ったときの現場に立ち戻るという運動系の学習である。最近の脳科学の「ミラーニューロン」という、相手の心と自分の心を鏡に映したように生成するニューロンは、運動前野というところにあり、運動系の回路である。美濃邉さんの話を伺って、このことを真っ先に思い浮かべた。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20070705/129136/
「見る」学習と「なぞる」学習
NB onlineより

これを読んでいて、最近アーチャンと一緒に、陶芸などを作ることを継続してやっていて、楽しみながら、それをアートセラピー的なこととして、位置付けていますが、作ること=運動系、で心の部分を感じることが刺激されるというのは、自分自身もそうだし、アーチャンにも良い作用をしていると感じるし、直観的に共感できました。
最近、アーチャンと遊んでいて、会話の中で嬉しく感じるのは、いろいろなものを見たり作ったりしている中で、「どうやって、つくるん?」と僕達に聞いてくるところですね。知的なところで遅れがありますから、「こうやって、つくるん」と伝えるのも、なかなか難しいですが、実際に作って見せたり、作るところでアドバイスしたりして、うまく伝わらないかなと試行錯誤の毎日ですね。
アートセラピー的な試みに新しい志向性を与えていただいたように思います。