「新撰組!」第15回「行くか、残るか」を観る

今回も見所満載の回でしたね。僕の場合、ストーリーと共に、人間とランドスケープや建築との関係に興味があるから、今回の大河ドラマは特に好きですね。「芹沢鴨爆発」の回http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20040404#p4と同様に、「水」「火」を含む4大元素説的なイメージが僕を捉える。火事の大きな火柱を木橋越しにみるシーンに見入ってしまう。いつもビデオは撮らないから、瞬間映った橋の意匠を焼き付けておく。三谷幸喜さんのイメージなのか演出家のものなのか分からないけれど、映像のイメージからは、ジャンル違うけれど、何故か、タルコフスキーの世界に近いものを感じる。清河八郎を狙って追いかける場面の、迷路のような、濡れた路地のゆるやかな水の流れや、角材を束ねた小さな木橋から、タルコフスキーの映画「ストーカー」(密猟者の意味)http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/stk.htmlを連想する。清河八郎に抜け道を教える斎藤一の不思議な登場の場面も良いですね。都は浪士達にとっての「ゾーン」であったと捉えると面白い。タルコフスキーも4大元素説的なイメージによって映像を作る作家だったから、反応してしまうのかもしれませんね。
そして、早春の桜の花弁が舞い降りる美しいシーンに見入ってしまう。(桜の季節だったかな?)一つとして同じ落ち方はしない、非決定的なランダムな動きの中に、先の読めない浪士達の命運を重ねてしまう。もしもこの時、江戸へおとなしく戻っていたとしたら、歴史はどうなってたんだろうと想像する。桜の花弁は五回対称形。少し前までは五回対称形の結晶は存在しないとされていたらしいけれど、結晶と非結晶の中間体のような準結晶としての物質も現実に存在が確かめられたという。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E7%B5%90%E6%99%B6その姿も美しいと感じる。http://www.sci.toyama-u.ac.jp/phys/3ken/team/EM/quasicrystal.html
近藤勇達もまた、秩序と無秩序の時代の狭間(それは準結晶のような)に生きた純粋な若者達であったのだろう。清河八郎、HRからは想像もつかない演技ぶりですね。平助が場所取りで、「数珠くり」(法事の時、皆であれを廻す)の数珠で押えていた場面もかなり笑えた。来週も楽しみ。
番組の最後に、いつも歴史紹介のコーナーがある。それを見ながらバーチャンが、「江戸時代から自動車走ってたんか?」全員ずっこけた。