オープンスタジオ:新・福寿荘 / kioku手芸館「たんす」

大川沿いの桜花見(少しまだ早かった)の後、動物園前で降りて、Breaker projectさんの「たんす」へ伺いました。
ここでも最近ワークショップで同席することの多い方がボランティアスタッフされていて、毎週のように再会。アーチャンも嬉しそう。

オープンスタジオ:新・福寿荘 / kioku手芸館「たんす」
http://breakerproject.net/archives/000180.php
Breaker projectさんのwebより

地域の方々が手作りカフェも開かれていて、いろいろいただく。
コーヒーとぜんざい、後で雨森さんお薦めの、びわの葉茶もいただきました。どれもとても美味。(びわの葉は我家にも小さい樹があるので、カーチャン前からやってみたかったらしく、あとで新福寿荘で雨森さんから秘伝伝授していただき、やる気満々でした)
テーブル自体が水屋の扉のリニューアルのようで、薮内美佐子さんのワークショップで作られたフロッタージュを型ガラスに挿んであり、素敵な感じでした。

お茶いただいた後、2階の展示拝見。
大きなロール紙にいろんな看板やマンホールなどフロッタージュされている。これらが皆地域のおばちゃん達の手によるものらしい。

アーチャンはモビールの赤いタコが気に入った様子。

それから新福寿荘へ移動して、パラモデルさんの『レジデンス・パラ陽ヶ丘(仮)』など拝見。
この場所が元は海の岸近くだったらしく、夕陽を望み西方極楽浄土のイメージを重ねながら海に向かって祈る場でもあったらしい。
その逸話と共に1階の西向きの部屋を、能楽謡曲『弱法師』とその主人公・盲目の俊徳丸少年の夕陽を望むクライマックスシーンに重ねて制作されているらしい。
西面の窓は大きな四角が左辺に中央に縦長の、右辺には斜め対角のスリットや小さな様々な形状の窓があり、型ガラスの為に外部の景色は開けなければ、見えずただ太陽の光のパワーを感じるイメージとなっていました。
中野裕介さんのテキストに「部屋は少年の頭部といってもよい」とあり、以前にここで増本泰斗さんと対話した際に、新福寿荘のユニークな建築構造と無意識から意識に至る流れとの相似を感じたし、それを文楽の三位一体の演じと繋がって感じたので、共感できました。
障害のある人をヒーロー化する物語として、私は長年、大江健三郎さんの小説での大江さんと息子の光さんの物語が好きで愛読してきたのですが、後年、自分に障害のある娘のアーチャンができて、まるでその時の為の予習をしていたような気持ちになったことがありますし、またアーチャンとともに活動する、team ArtanArtをしていると、無敵な気分になることがありますね。
偶然の存在としての私たちを、どこかでしっかりと支えてくれるベンチマークというのか、座標のようなものを求める時、それは理念ではなく、身近な存在であるのかもしれませんね。