「見っけ!このはな 2014」

平林祭の後、家族と別れ行きました。

「見っけ!このはな 2014」
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最初に元梅香堂のASYLへ。
前谷康太郎さんとボン靖ニさんの「GMO」二人展。
梅香堂ゆかりの若いアーティストさんがここをシェアして継続されているのは、本当に素晴らしいと思います。1階がギャラリーで、2階はシェアハウスでした。

前谷さんの作品は動画だろうと思って、ずっと待ってたら、静止画だった。
手前のモニターがクリアーな映像で、奥のモニターがぼやけたフィルターの掛かった映像で、前後重ねて見ると、遠近感というのか、空間の強度を感じてしまう。
床の傾きに対してモニターの水平を調整されていないのが意図的なものなのか、どうなのか聞き忘れてしまった。

ボン靖ニさんの作品は、拝見するたびに変貌していて、ご本人の髪型等で会う度に人違いする私の誤認とリンクして感じてしまう。
梅香堂での個展は、ボンさん、秋山ブクさん、中崎透さんの、一連のというか、不用物シリーズとでも呼びたくなる衝撃の展覧会の記憶とともにありますね。

2011年のボンさんの個展の記録
ボン靖二「あとでみる」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110924/art

そこに私は、「僕の場合は、仕事において建築空間という、基本的に安心安全な健康な空間を作るという大前提があるし、その枠から外れる事はできないけれど、でも、物理的な意味ではなくて、認知的な意味での不安定構造物を作ることは、逆に必要なことなのでは無いかと思いつづけてきたし、それは、明らかにクライアントの了解や同意を得られる物では無いし、求められるものでも無いのだけれど、空間の強度のようなものを考える上で、それは欠かすことの出来ない方法のように思っている。そんなイメージも、ボン靖二さんの作品に出会えた事で、再認識できたように感じます。」
と記録していて、今回のスチレンボードに描かれた(もしくは表面の紙を剥がされた)2.5次元スケッチのような、立体と平面の中間体のような、どちらで処理すればよいか迷うような表現に、「認知的な意味での不安定構造物を作ること」の意識を再び感じました。

前谷康太郎さんがパンフレットもう無くなったのでと、近くの吉原啓太さんのアトリエまで案内してくださった。

前谷康太郎さんの作品について、追記。

先日の増本泰斗さんの「フリースタイルダイアローグ」で対談させていただいた経験と、出版記念イベントでのトークショーでの増本さんの問題提起から、今ここ的な経験のイメージと、それをアンカーしてアーカイブ化するようなキャプション(言語的なもの)の働きやそのリンクに仕方について、様々な示唆を受けました。
ブログの記録。
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20141010/art

今まで考えていた、言語的なものが持つ、イメージをアンカーする、安定化させる機能とは別の、キャプションを上書きすることで、アンカーの位置を、今ここ的感覚をずらすことができる機能があることに気付いたところだったので、ASYLで拝見した前谷康太郎さんの作品の、イメージにキャプションというのか、言語をストレートに被せたものを見て、さらに空間の遠近感の中に投棄されている様が、とても示唆に富んだものに感じられました。

キャプションの上書き的な様相を、さらに同時に同じ空間に配置することの効果(メタな視点の導入なのか?)は、まだ私は、よく理解できていませんが、大きな可能性を感じます。

それから、モトタバコヤ伺う。大川さんは不在。

次にmizutamaさんのFIGYAへ。ここで開催されてた、「広告をスキップ」展(郡司侑祐+斎藤祐平)はノイズだらけの会場に埋没せず、雰囲気だけの作品ではなく、アートとしての強度があり、とても良かったですね。

最近思っている、イメージと言語の関係についても考える機会になった。
お二人が、それぞれ単独で描いたコラージュ的な平面を相手に送り、受け取った側が相手のイメージ(他人の記憶とも言えそうな)に上書きしていく。
上書きしていくことで、一旦アンカーされていたイメージの位置をずらしていく。

それから、アーチャンがenocoの自販機ワークショップでお世話になった高橋タカカーンさんの無職・イン・レジデンスへ。
会場前に偶然ですが明治大理石の中家さんが居られ、本当にタイミングよくあちこちで出会いますね。すぐに高橋さんも帰ってきていろいろお話聞けました。
かなりハイレベルな方がレジデンスに来られたらしい。
クリエイティブな方向にはいかないことイメージされてるそうですが、禁断症状出ないのかなと空想。
でも、私がバブル景気のおかげで、仕事人間になってしまい、アート制作からフェイドアウトしたのは高橋さんくらいの年齢だったし、そういう時期なのかもしれないですね。

最後に山中俊広さんの、the three konohanaさんへ。
NO ARCHITECTSさんの小冊子予約していたので頂きました。
前回伺った時には無かった立体スピーカーから音が流れてくるので、空間が柔らかい印象になっていました。
多忙な山中さん、奈良のHANARARTのパンフレット頂きましたので家族で伺いたいと思います。