特別展「ネコと見つける都市の自然-家の中から公園さんぽ-」

大阪市立自然史博物館さんのブロガー招待が、今回も当選したので、伺いました。夏休み初日の日曜日ということで、親子連れの観客が多かったですね。我家も娘のアーチャンと家族で行きました。

自然史博物館 特別展「ネコと見つける都市の自然-家の中から公園さんぽ-」
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2014toshinoshizen/

展示を巡りながら、子どもの頃に夢中になって虫や魚を追いかけていた記憶の風景を思い出しました。そして現在、大人になり親になって、自分の子どもと一緒に、あちこち出掛けて体験している現在の都市の自然の風景とを、頭の中で無意識のうちに較べていました。
おそらく一番生き物に興味持って体験するであろう、小学生くらいの子ども達にとっては、展示内容はリアルタイムに体験していくことの予習復習であるだろうし、大人にとっては、過去の生き物体験を思い出しつつ、最新の研究成果によって、新たな物語をつむぎ出す機会になると感じました。
我家はまた、家族それぞれの興味の対象が異なるので、一緒に行動していても、各自の興味のところで見つめる時間が異なるので、離れたり、呼んでまた合流したりしましたが、それも楽しい時間。

娘のアーチャンは、猫好きなので今回は案内役の「ニャンたろう」だったり、通っている支援学校近くに田んぼがあり、オタマジャクシからカエルに変態するところ見ているので、カエル展示や、ニュースで観たセアカゴケグモなど、今現在体験したことに関連する展示への興味ですね。


それと、少し前に体験した、椎茸のホダ木作りで、家に持ち帰り中庭に置いていたら、最近、ホダ木の近くの地面に何故か、シイタケに似たようなキノコが生えてきて、娘はそれをシイタケが生えてきたと勘違いして喜んでしまったのですが、今回の展示で、それがツブカラカサタケであることが分り、誤解であることを理解できた様子で、それも身近な知識として良かったです。

コガネムシの神社のおみくじにもハマッテいました。『コガネムシ〜は金持ちダ〜』の歌がエンドレスで流れ耳に残りました。

カーチャンは、植物好きなので、つぶさに標本類を見ています。タンポポ外来種の見分け方など良かった様子。

私は毎回、ランドスケープ的なものへの興味から、地形や地盤調査など、地味でとても長い時間掛けて変容してきたものが好きですね。
都市の微地形の形成や大阪平野の横断的断面と地盤ボーリング調査など興味深く見ました。
都市の環境は生物にとって厳しいものがあるけれど、多様な地形が多様な環境を生み出していき、生き物もそれにうまく適応していく姿がよく分ります。
昨年、家族で参加したアートのワークショップ(詩人で写真家の辺口芳典さんの「写ルンです」の会場のアートスペースジューソーのある新福寿荘とその周辺)の周辺環境が、ちょうど地盤ボーリング調査された上町大地と断層の境目あたりにあり、数万年の気が遠くなるような時間を経て、断層がずれて、東側が西側に乗り上げるようにして上町大地が出来ている様がリアルに感じられましたし、周辺をワークショップで歩いた時に遭遇した様々な生き物たちの記憶も蘇りました(アーチャンはクリーニング店の奥に隠れていた猫に気付いて撮影しています)

また、現在住んでいる西成区天下茶屋が、乾燥しやすい都市の自然のなかにあって、崖から染み出す地下水によって、湿地が生じていて、そこに蒲などが植生している光景は、改めて地域の環境の特徴を知る機会になりました。


そのことと、上町断層や微地形形成との関連について、もう少し詳しい展示や解説が欲しいところです。
上記のワークショップもそうですが、都市のごく普通の生き物観察や、その自然環境を改めて経験する機会を個人が自力で設ける事は、大人になって一旦機会を失うと、子どもの頃のように再開するきっかけ作るのは、なかなか難しいので、そこに知識を持った専門家(レンジャーさん)案内によるイベント開催がとても有効と感じます。
セミの抜け殻調査をちょうど今の季節のエピソードとして開催されるようですから、そのような機会が多様にあることが、生き物環境への意識も高まるでしょうし、結果、ともに生きる街への愛着にも繋がるように思います。生物観察を含む都市観察が観光に充分になり得ると思いますね。
今回のキャラクターの「ニャンたろう」の視点通しての観察展示のスタイルは、その暗示かもしれませんね。
会場の毎年のセミの抜け殻調査のビニール袋の無数の抜け殻は、なかなかの迫力です。これのあと何倍もの袋が置かれています。

今回もブロガー招待いただき感謝です。
過去の参加記録もリンクしておきます。

特別展「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス 〜知られざる大陸ララミディアでの攻防〜」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140322/ikimono
特別展「いきもの いっぱい 大阪湾 〜フナムシからクジラまで〜」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130721
特別展「発掘!モンゴル恐竜化石展」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20121123/event
特別展「のぞいてみよう ハチの世界」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20120728/event
特別展「新説・恐竜の成長」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20120311/Museum
特別展「OCEAN! 海はモンスターでいっぱい」http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110910/Museum
特別展「来て!見て!感激!大化石展」:http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110703/event
大化石展ぐるぐる消しゴム アンモナイト
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110813/workshop
「お披露目!博物館に届いた新しい標本」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110429/event