necdinの新しい知見

アーチャンのprader-willi症候群の原因遺伝子のひとつではないかとされる、necdinの新しい知見がPUBMEDにアップされていました。

Stochastic Loss of Silencing of the Imprinted Ndn/NDN Allele, in a Mouse Model and Humans with Prader-Willi Syndrome, Has Functional Consequences.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24039599

necdinは、大阪大学の吉川先生が発見されたものでprader-willi症候群の染色体領域にあります。
健常者の場合、父親側の遺伝子のみ働き、母親側はインプリントされていて働きません。
prader-willi症候群の場合、その多くは父親側欠失の為(もしくは母親側重複)に、necdin遺伝子は母親側に半分あるのに働かない状態になっています。
ところがフランスの研究者さんが、necdinノックアウトマウス(ほとんどが死にます)のうち、生き残るものが居て、それらでは偶発的に何故か母親側のインプリントが緩んで、necdinが生じていることが判明したのだそうです。
そして、そのことは人間においても生じていて、それが個人の症状の差になって現われているのではと。
そこから、母親側のインプリントの解除のされ方のメカニズムが解明されれば、治療法開発に結びつくのではと期待されています。
これは、画期的な発見ですね。
IPWSO(国際プラダーウィリー症候群協会)の専門家たちは、PWSの人の検体脳からnecdinが検出されたので、necdinはPWSの原因遺伝子ではないと結論つけてしまい、日本の専門家も右へ習えでした。
素人の私が読んでも、父親側が欠失で、母親側がインプリントされているのであれば、脳にnecdinが検出されていれば、大きな矛盾だし、新しいメカニズムが働いていると推測できるのに、何でこうなんだろうと思います。
でも、アーチャンも、もう13歳ですし、治療法開発されたとしても、間に合わないかもしれません。
それでも、期待はしたいですし、間に合わなかったとしても、新しく生まれてくるPWSの子供たちの症状が少しでも軽くなってくれればと思います。