前谷康太郎「samsaara(輪廻転生)」

教育大の夢農場でのお餅つき大会の後、帰路、日本橋で降りて應典院さんに寄り、前谷康太郎展を観ました。

前谷康太郎「samsaara(輪廻転生)」
○日 時 1月10日(木)〜1月24日(木)10:00~19:00
○場 所 2F気づきの広場
http://www.outenin.com/modules/contents/index.php?content_id=682
應典院より引用

墓地のよく見える2階のホールのつき当たりに展示されている。モニターの配置が都市のランドスケープのようであり、また目の前の墓地の墓石の群れのようでもある。それらがゆったりと明滅している。
組上げられて配置されたモニターの全体を見ることもできるし、歩みよってその中を体験してみることもできる。
ゆっくりとした明滅は解説によると「日本各地の春分夏至秋分冬至の日照時間の変化を、
ゆっくりとした明滅として抽象化」とあるが、生物の意識のようでもある。
都市や街の中にある「家」的なものを見るときにも、窓から住人の視線(目の意識)を感じて、家そのものが顔的なイメージに感じる時があるように、会場のモニターを、より近づいて見る時、隣接する墓地の墓石を同時に感じて、モニターもまた墓石のように見る対象(祈りの対象)であり、かつ見られている(護られている)ような感情が湧いてくる。
ネット上での感想に、作品が一点だけであることについて、辛い意見もあるが、個人的には墓地との連動を意識すると、複数点は焦点が曖昧になってしまうように思うし、一点のみで良いと感じる。
会場の椅子に腰掛けて家族で休息していると、昨年大和郡山での素晴らしい展覧会を企画された山中俊広さんに再会。いろいろと貴重なお話を伺えましたし、これも前谷作品によるシンクロニシティなのかもしれません。

以前、この2階ホール伺った時には、ガラス越しにメジロがやってきて、楽しませてくれましたが、今回はヒヨドリが一羽飛んできて、アーチャンも大喜びでした。ここのガラスはミラーになっているようで、こちらの様子に気付かないので、かなり長い時間、間近で見ることができました。