舞洲工場オープンデー

市民交流センターにしなりでのワークショップの後、赤バスでJR今宮駅へ行き環状線ゆめ咲線乗り継いで桜島駅へ。そこから舞洲アクティブバスに乗って舞洲工場へ行きました。
ここは故フンデルトヴァッサーさんが外観デザイン監修をされたユニークなゴミ焼却工場。出来た頃、もう8年くらい前に外観だけ見に来た事がありますが、今日はオープンデーという事で、工場内部も詳しく見ることができました。
ここで震災ガレキの焼却をする計画が発表され、もしかすると、放射能に汚染されてもう二度と見ることが出来なくなるかもしれないと思うと、我慢できなくなって、見に行ったと言う次第。よりによって何でフンデルトヴァッサーさんの舞洲工場を選んだのか、橋下徹市長の施策に疑問を感じざるを得ません。震災ガレキの受入自体も許容できないし、大阪にとっての文化財、観光資源と言っても過言ではないクオリティのこの施設を選ぶところに、橋下徹の破壊主義を感じざるを得ません。

シンボリックな煙突が目立ちますが、個人的にはフンデルトヴァッサーさんの自然志向な思想に共鳴しますし、屋上及び壁面の緑化がとても素晴らしい状態でした。前回は外観しか見ることができなかったので、なおさら強い印象になったのかもしれません。
私が最初にフンデルトヴァッサーさんの作品を見たのはもう20年以上前にSDという建築デザイン雑誌に自邸の計画が小さく紹介されていて、ちょうどソフトクリームのような形をした屋根が緑化されていて、解説を読むと、その家で排出される汚水を屋根のてっぺんから撒いて、栄養にするとあり、正直なところ冗談建築と思っていました。ところが最近、フンデルトヴァッサーさんが亡くなられる直前に、TVで石井竜也さんが、氏を自邸に尋ねるというドキュメンタリーがあり、見ていると、氏は本当に自分の雲固を乾燥後に焼いて粉末にして草屋根に蒔いているのでした。家自体も地面に同化したような、溶けていくような夢のような建築で、その時の印象は忘れられない光景ですね。その時のイメージが今日も思い出されました。


ジグザグでかつ勾配がついているので、とても複雑な屋上緑地。向こうに見えるのがその後建てられたスラッジセンター。

建物内部は入る前は、ごく普通の焼却工場だろうと思っていましたが、見学者コースを意識してデザインされていて、こちらも良い印象でした。
フンデルトヴァッサーさんの絵画やスケッチ類や、ここの模型や、海外で建てられたゴミ焼却工場の模型が置かれていて、もう少し展示レイアウトをアートな感じでまとめれば、フンデルトヴァッサー美術館の雰囲気になると思うし、観光コースになるくらいのクオリティがあると思います。
舞洲工場の模型。

海外の工場の模型。

焼却工場の実際の作業もガラスの窓越しに見ることができるようになっていて、金属類のゴミを破砕する前の状態の工程のところ、大きなUFOキャッチャーみたいなのでわしづかみして、見学用に宙吊りにしている様は、まるで廃棄物を利用した現代アートの作品のようでした。いや、現代アートよりも強烈なリアリティを発散していると感じました。

工場内では子ども向きにクイズラリーが開催されていたり、ワークショップがあったりして、アーチャンそれなりに楽しかった様子。
放射能汚染も無く、また見学に来られるようにと願う。