yukko*作品展/愛にふれる『The Wheel of Life』

西成区民センターでの西成ミュージカルを観た後、少し歩いてギャラリーあしたの箱さんへ行きました。

yukko*作品展/愛にふれる
『The Wheel of Life』
http://www.ashitanohako.com/hako/
ギャラリーあしたの箱より引用
http://profile.ameba.jp/officevivid/
yukko*さんのHP

桜をテーマにした心象風景のような写真展。昨日、我家は大阪城公園の梅林で梅の花をたくさん観てきたので、樹種は違いますが何となく昨日の続きのような感覚になりました。
画面に桜の様々な表情とともに光の泡のような球体のようなものが拡散して映り込んでいて、それが風景の中に漂っているように感じられます。それを見ていて、僕はかなり前に見た、宇宙飛行士の毛利さんが宇宙衛星に桜の花びらを持っていき、無重力状態の中で水をピュット出して球体にして、その中に花びらを活けて、無重力で浮遊する宇宙花見をされている美しい光景を思い出しました。その時のイメージはとても強烈で動画からプリントして壁に貼り付けてずっと眺めていました。
宇宙花見の連想から、そこから僕の好きなプラトンの考えた四大元素説と5つの正多面体を用いたプラトン立体の宇宙像へと飛躍していきました。
桜の五弁の花びらは5角形の現れのように感じるし、プラトンが5つの正多面体をそれぞれ四大元素(土・水・空気・光)に当てて、残った一つの立体の、正五角形による12面体をその美しさから宇宙そのものと考えたように、ひょっとすると宇宙飛行士の毛利さんは桜の花びらを連動させてイメージされたのかもしれないと、僕は空想している。そして最新の泡宇宙のような理論へとさらに飛躍して考えると、泡と泡の接面は5角形を産みやすいらしく、あながちプラトンの正五角形による12面体宇宙論が荒唐無稽な空想だけでは無いとする説もあるらしいし。

プラトンは,対話篇「ティマイオス」の中で,当時の最先端の科学的知識を総動員して,正多面体の中の神秘的な正五角形ばかりの正十二面体で囲まれた宇宙を考えた.のちに,宇宙には十二宮がある,という伝説が生まれたゆえんである.対話篇「パイドン」でも,獄中で毒を仰ぐ直前のソクラテスが,宇宙を外から見れば12枚の色違いの皮でできた手まりのように見える,と遺言している」
宇宙時代の図形科学教育:宮崎興二
http://www.graphicscience.jp/journal/pdf/105/low/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E8%88%88%E4%BA%8C.pdf

ごく普通の日常的なランドスケープの中で花見をし食事してという一コマが当然のことながら楽しいし親しみがあるけれど、でも心の中にはそのような若かった頃のピュアな造形的なイメージへの敬意はやはり残っていて、それらピュアなイメージが身近な光景と混じり合ったような複雑な今日拝見した写真のイメージは、果てなく続くランドスケープの中に佇んでいる人間にとって、支えとなる手掛かりを与えてくれるものであり、不安では無い世界を暗示してくれる。