「KOSUGI+ANDO 状態遷移」展

家族で行った「大阪あきない祭2011」「西区マスターズオープン2011」の凄い人出の喧騒から、なんばの天音堂ギャラリーへ行き少し落ち着いてから、妻子と別れて単独行動。少し歩いてCASさんへ、「KOSUGI+ANDO 状態遷移」展を観ました。

「KOSUGI+ANDO 状態遷移」展
http://cas.or.jp/2011/KOSUGI_ANDO/
CASより引用

真っ暗な室内に映写機が二台、壁際にベビーベッドが置かれガラガラ(日本地図の断片で出来ている)が廻っている。しばらくすると、奥の壁全面に田んぼの風景が映し出され、気象情報みたいなアナウンサーの無機質な声が響き始めた。そして映写機が時計廻りに回転し始めて、4面の壁に、ベビーベッド越しにと目まぐるしく映し始め、放射能の測定値についての、これもアナウンサーの無機質な声が重なり始める。
映写機の回転が手前にも向き始め、こちらはただ茫然と見つめるだけであったものが、体に向けて映像が映し出されるので、こちらがスクリーン化して巻き込まれてしまう。
何となく、映写機であるのに、撮影されているかのような、レンズの奥に意識と言うのか、人の気配のようなものを感じてしまい、一瞬ぞっとした。
そこが作者達の狙いなのかよく分りません。
震災をテーマにしたアート作品を、震災後いくつか見ましたが、どちらかと言えば、ユーモアを感じさせるような、復興に向けて元気付けるような、励ましの声としてのアートの感じであった。今日の作品はどうだろうか?
機器やベビーベットの配置と映像の最初の位置によって、見る人の立ち位置はかなり限定されてしまう。そしてしばらくして映写機が回転を始めて、その立ち位置から、見る人を追いやるような、強制的な力を感じる。