ルーシー・リー展

陶芸ピースへ行く前に、中之島の東洋陶磁美術館へ行きルーシー・リー展を観ました。
観てみたいと思っていた展覧会ですし、初日ということで、多くの方が来られていました。
繰り返し様々な釉薬の効果を試してサンプルピース作りされたらしく、その調合ノートも併せて展示されていました。完成品も最終形という感じではなく、良い意味での試作過程のような未完成なものがもつ可能性のベクトル感に満ちていました。オブジェのように、視覚的にまとまった単位として捉え易いサイズのものを作る時、分かり易さ、捉え易さと同時に、円筒形の持つ背後は視覚的に見えなくて、回転させる事で背後は見る事は出来るけれども、常に新しい背後が出来ていく、分からない部分と分かる部分とがシームレスにつながっているような、そんな造型を常に意識されているように感じました。それはルーシー・リーさん固有の問題意識というよりも、器の持つ形態的な本質と言えるかもしれませんが、それをより明確に意識して造型されている雰囲気。
特にそう感じるのは、晩年の線文円筒花器のような、水平に円形に広がる花瓶の口と、細長い首と円筒形の胴の部分のシームレスなつながりの造型。明確に全体像が捉えられる平面状の花瓶の口と、背後が認知できない円筒形の胴の部分が明確に区別されることなく、つながっている様は、とても美しい。
アーチャンは陶器で出来たボタンが宝石のようなチョコレートのような感じで見えたらしく、気に入って、午後からの陶芸制作でもボタンを真似て作りました。

ルーシー・リー
http://www.moco.or.jp/exhibition/2001/39.html
大阪市立東洋陶磁美術館