岡本光博展「BATTA MON returns」

陶芸制作の帰路、なんばで降りてCASさんへ。少し前に川端嘉人展拝見して以来(あのブロック撤去してあった。撤去作業の様子空想)
今日の「BATTA MON returns」もいろいろな問題提起含んだ展覧会。「ルイ・ヴィトン ジャパン」から、今後の展示や自身のホームページでの紹介も中止するように求められて、あえて問題提起として企画されたようですね。

先週土曜日の朝の関西ローカルの情報番組「知っとこ」を、たまたま見ていたのですが、関西の現代アートの紹介のコーナーがあり、そこで紹介された淀川テクニック、パラモデル、新聞女さんの作り方見ていて、使う素材というのか、扱う部品への強いこだわりがそれぞれの作家にあり、廃棄物や現代文明みたいなものへの批判、問題提起が前提にあるのでしょうけれど、それ以前に、作品のベースとして、共有可能な分かり易い、誰もが知っているアイコンとも言えるような象徴的なものを、アイコン状態を残したまま、強烈な作家個人のイメージによって一種のロンダリングを行なっているような、そんな印象を受けました。単純な文明批判ではなく、また共存や寄生状態でもなく、うまく言えませんが、アイコン状態の無いものを扱う事で、そのものを支えるメタな世界への無限後退に足を踏み入れない為の、無意識的な距離感みたいなものがあるのかも知れません。
今日拝見した、岡本光博さんの作品も、それ以前にどんな作品を作ってこられたのか知らないので分かりませんが、どこか共通したものが感じられました。でも、何でしょう第1印象、もの凄く美しい毒みたいな。

バッタもん:ブランド模様入り美術作品巡り議論−−来月大阪に再登場
http://mainichi.jp/enta/art/news/20101021ddm014040007000c.html
毎日新聞より引用

神戸市の美術館で展示中に撤去された美術作品が11月、大阪市のギャラリーに再登場することになった。美術家の岡本光博さん(42)が制作した「バッタもん」。有名ファッションブランドの模様が入った素材を使ったことから、メーカーが「ブランド価値を損なう」などと抗議し、美術館が撤去を決めた“問題作”である。岡本さんは「表現の自主規制は自殺行為。今度の展覧会を、アートと企業を巡る問題を考える場にしたい」と話しており、議論が再燃しそうだ。(中略)
ルイ・ヴィトン ジャパン」は、この作品が模倣品を使っていると判断し、問題視した。岡本さん、展覧会を企画した神戸ファッション美術館、美術館を管轄する神戸市に対し、「ルイ・ヴィトン製品の価値を著しく毀損(きそん)する」「無断かつ許容のできない範囲での登録商標の使用」などと記した通知書(5月6日付)を送付。美術館と市には作品の撤去や図録の回収を要請し、岡本さんには今後の展示や自身のホームページでの紹介も中止するように求めた。

岡本光博展「BATTA MON returns」
■会期 2010年11月6日(土)〜11月27日(土) 13:00-19:00 水・木休み
http://cas.or.jp/2010/OKAMOTO/index.html
特定非営利活動法人キャズ(CAS)より