見っけ!このはな2010

「見る倉庫」さんへ行った後、「見っけ!このはな2010」へ。
去年もお伺いして、ユニークな場所と企画だったので、何でも見てみようの我家、今年も行きました。

見っけ!このはな2010
http://mikke09.exblog.jp/

アーチャンのお目当ては、かえっこ広場。たくさんいらなくなったオモチャを持って参戦。今年は空き地の屋外でされていました。台風それたとはいえちょっと寒い。
アーチャンひとつひとつこだわりがきついので、なかなか選べないで、時間切れまで悩んでいました。むしろカーチャンの方がたくさん選んでゲットしていた。
先週の日曜日に行った、鶴見緑地の「eco縁日2010」で、ワークショップ開催されていた男性の方(たぶん大理石使ったお絵描きのブースの方と記憶)と偶然ここで再会、かえっこのカードアーチャンにとプレゼントしていただきました。ありがとうございます、またどこかでお会いできそう。

それから、すぐ近くの空き地で、謎の人物キスヒサタカさんが、またなんか分からん事されていました。少し前にアートコートギャラリーでのワークショップにもお伺いしたので我家の事、覚えていてくださった。
今回はコスプレ土木とか。土木作業員なりきりで、空き地に穴を掘るだけというものらしい。ちょうど終了されたとこらしく、あまり深く追求せずさようなら。

それから、少し歩いて、此花メヂアへ行きました。複数の木造家屋を連結したような中は迷路のようになっていて、ロールプレイングゲームのような、空間自体が強烈なので、作品個々の印象よりそちらが残ってしまいます。床はベコベコ、畳の床も靴で歩くので、ちょっと僕的には限界かな。でも面白い。展示作品それぞれは、どちらかと言えば、感覚をニュートラルにして、没入していきそうな様相のものが多い印象。親和的な空間の中で、イメージが次々と流れていくような。

それから、川沿いにある梅香堂さんへ行きました。

實松亮/安部貴住 「循環と置換」
http://www.baikado.org/docs/home.html
梅香堂

こちらもユニークな空間のギャラリー。古いトタン葺きの木造倉庫みたいなところをコンバージョンしてギャラリーにされている。オープンされた時に伺った時から気になっていたのでオーナーさんに聞いてみたら、やはり昔の小火で中は焦げていたらしい。
1階に實松亮さんの映像作品、2階に安部貴住さんのドローイングが展示されている。
最初1階の映像作品をロングベンチに座って拝見。小さ目の四角いスクリーンに映し出されるものとスピーカーから流れてくる男性の声や何かをすするような音とがシンクロしていて、何となく感覚を開いて、ニュートラルな感じで見つめていました。でも、そのうち、アーチャン音が気になって、真似しだしたので、僕も落語のうどん屋さんみたいに口を鳴らして応戦。
それから、いったん外へ出て、屋外階段で2階へ上がり安部貴住さんのドローイングを見ました。最初、木枠の中に寒冷沙みたいな薄い布を貼って、何かを描かれているので、版画のシルクスクリーンをイメージされているのかと思い込む。作者さんは不在で、オーナーさんから、作者の制作方法などお聞きする。森の中で木漏れ日のような光の状態を写し取っているらしい。大きな作品のドットもその光の表現らしく、額縁の外へ流れ出している。作者はとても丁寧に、几帳面な作り方されている印象。シルクスクリーン的な作り方と一瞬イメージしたのは、それが正投影による版画の技法で、おそらくそのような、正投影のベクトル感を好む方なのではと。「循環と置換」という展示コンセプトも、お二人の作家さんに共通の、正投影のベクトル感のようなものがイメージされているように感じる。
僕のしていた銅板画などは逆投影になって、版に描いたものが反転するので、思い描いた像のとおりにはいかないし、腐食の過程でどんどん変化していき、思いどうりにならない、むしろそこに僕は魅力を感じていたところがあり、その辺りに敏感だからと思う。
オーナーさんのお話では、もともと立体の作家さんらしい。立体は、絵画と異なり、置かれた空間の中でそのままの姿で捉えられるが、絵画の場合、様々な錯覚や錯視が盛り込まれ、用いられた物質をイメージに転換しようとする。おそらく作家さんは、その狭間で揺れていて、いかに物質を虚構の枠の中へ入れていくのか、虚構自体前面化するべきなのか、と問うているような。
おそらくその際に、手掛かりとしてレリーフ的な中間的な存在が有効となるのかもしれない。