新聞で紹介されていた奈良の鹿についての本を拝読。前から気になっていた、明治維新の頃の囲い込みの話、ここでも取り上げられていました。でも微妙にニュアンスが違う。どっちが史実なんだろう。
でも、そんな史実より、奈良の鹿の居る光景はいつ行っても魅力的で不思議なイメージでいっぱい。
「オレたちシカをなめるなよ!」より一部引用
一八七三年(明治六年)、同じ県令、四条隆平は、市民有志に鹿園の建設を許可したが、七百頭以上のオレたちを追い込んで収容し、入らないオレたちは、その場で射殺した。だが現在の鹿苑とは違い、給餌量が少なく、野犬にも襲われる上に、疫病などの発生もあって、わずかに三十八頭と激減。そこで、オレたちを鹿園から解放し、オレたちは絶滅を免れた。
- 作者: 有本隆
- 出版社/メーカー: 真珠書院
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
以前見つけた自然公園法についての本の中の記述。僕はこっちの表現の方が不思議な感じで好きですね。
奈良公園の鹿もこの維新のとき、絶滅寸前まで追い詰められたことがあった。古い習慣、古い権威を破壊しようとしたのが、維新の一面でもあったので、春日大社の神鹿もその対象者とされたのである。神鹿は春日大社の西につくられた柵内におしこめられて虐待され、七百匹をこえたという鹿が一時は三十八匹までへったといわれている。(中略)数年して、この木の柵がくさり出すと、鹿は競って脱出した。
日本の自然公園―自然保護と風景保護 (1981年) (相模選書)
- 作者: 田中正大
- 出版社/メーカー: 相模書房
- 発売日: 1981/10
- メディア: ?
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る