「絶滅危惧・風景」

前日までと違って、快晴無風の気持ちの良い天気だったので、午後、家から散歩兼ねて通天閣へ。この数日、引越し準備とバーチャンの見舞いなどで、アーチャンもストレス限界状態だったし、引越し準備も一日休憩にした。

「絶滅危惧・風景」
3月20日(土)〜28日(日)
■エリア:新世界・西成エリア(山王・飛田・太子)
http://breakerproject.net/2009/index.php?id=10030001

昨年の通天閣周辺でのイベント(まちが劇場じゅんびちゅう)と同じようなコースを辿る。通天閣に行くといつも食べに入る更科で展示しているのも行ってみようと思ったポイントかな。
二組のアーティストが通天閣周辺のユニークな風景や地元の方達と関わりながら、作品を制作し、それをそのまま商店などで展示するという試みらしい。
南から歩いていったので、最初、新開筋商店街へ。モニターで、トーチカというグループが制作した、夜中に懐中電灯やペンライトを長時間露光して光の絵を描く様子を映像で流すらしいが、最初のお店はちょうど高校野球の中継時間の為か、流していませんでした。
アーケードには、昨年の水都大阪2009の会場で藤浩志さんが制作されていた、ペットボトルのオブジェやハンガーのオブジェが吊られていました。

そこから北へ、パラモデルというグループのアトリエへ。会場に居られた方が、我家が昨年もここを訪れたこと覚えていてくださって、いろいろお話伺う。展示はこの周辺の街中で撮影されたランタンを積んだラジコンのトラックの光の軌跡を捉えたものと、いろいろなお店の、よくよく見るとプラスチックなオブジェを食べていたりする、不思議ななりきり写真のようなもの。それと使われたラジコントラックとプラスチックなオブジェ達。時計を建物に設えるとスケールが人間に近くなるように、ミニチュアモデルを風景に置くと不思議に人間や部屋が活き活きと見えてくる。
それから少し西へ移動して、南海電車廃線跡地の、藤浩志さんの、かえっこバザールなど出たプラスチックのパーツで作られたらしい、恐竜のオブジェ見ました。こちらも水都大阪2009や、京都での個展の際に拝見したもの。

参加アーティストさんそれぞれが、自分なりの必殺技を繰り出しているけれど、剛速球でなく、楽しくプレイしている、そんな感じ。
それから、通天閣へ、凄い人出で登るのはあきらめて、展望フロアに張られているトーチカさんの写真を外から見ました。

更科本店でお昼御飯食べながら、店の奥のモニターから流される、トーチカさんの映像を眺めました。街中で出会った人にモデルになってもらい、体の輪郭を懐中電灯やペンライトで描いたりして、風景の中から人が切り出されていくような雰囲気。少し前に参加したワークショップでの、池田朗子さんの「切り起し」の写真を連想。
それから、インフォメーションへ行くと、さっきパラモデルアトリエに居られた方が、こちらに来られていて、再びいろいろお話をお聴きしました。もう一人の方も、あちこちのワークショップでお会いしている方でした。アーチャンのこと覚えていていただいて、声を掛けていただきました。大きなモニターに、さっき更科で見た映像が映し出されていました。
通天閣界隈の賑わいに較べて、ジャンジャン横丁から南のエリアは、とても寂れた感じで、それぞれのお店で、スタンプラリーなどして、誘導すれば良いのにと思いました。この辺りの雰囲気の良さを多くの方が見られて、核になるようなお店などがひとつふたつ出来てくれば、かなり変わっていくだろうなと空想。でも、そんな事にはお構いない感じの、積極的な無関心とでも表現するしかないような現代アートの方法と、街中でのコミュニケーション通じての作り方とがうまく溶け合っているように感じました。