現代アートの世界に輝く新星展

京都での療育へ行く前に大阪府立現代美術センターに立ち寄り家族で見てきました。(アーチャンはまだまだ小さいので出品はしていません)
アートを通じての障害者の就労支援は、行政の企画としては日本で初めてらしく、アーチャンの近い将来の事もあるし、私達夫婦は、このコンクールに先立って行なわれた、有識者による懇話会の第1回目も傍聴させていただきましたし、大きな期待を感じていました。
コンクールという形ですから、そこには競争原理があり、それが障害者のアートにとって、相応しいものなのかについては、私もよくは分かりません。新しい才能発掘の方法としてはコンクールが一番適しているのだと感じますが、競争原理だけでなく、自己肯定感が感じられるような仕組みがあると良いなと思います。落選者の作品紹介も含めて、コンクールのパンフレットに記載する等、検討して欲しいですね。
対象の障害者の範囲について、懇話会議事録では「 議論で取り上げる障がい種別について、あらゆる障がいの種類をカバーする必要があるが、そこに踏み込むとなかなか結論が出なくなるので、そのことを認識しつつ、この懇話会に限っては知的障がい、精神障がいに絞って考えるべきだと思う。」とされたものが、コンクールでは、身体障害者も含む範囲の広いものとなっていましたし、懇話会の提言書からの変化の過程の議論が公開されていませんので、よく分からないところですね。何らかの形で議論の過程を公開していただきたいと希望します。
会場でいただいたパンフレット等には、今回の審査の過程で、一旦最優秀作品とされたものが、模倣作との指摘を受けて、受賞辞退となってしまったという悲しい結果についても、一切触れられておらず、でも起きた事実は事実として、真摯に向き合う姿勢は必要ではないかと思います。個人的には障害者アートの一つの特色として、二次創作的な制作方法があると思いますし、公的な場所へ作品として出品するしないは別として、自由にもの作りをしていく日常的な場面において、主催者、審査員からの何らかの言及がなければ、今後、そのような特性をマイナスイメージで捕らえられてしまわないかと、懸念します。

現代アートの世界に輝く新星展
http://www.osaka-art.jp/genbi/images/sinsei-b.pdf
http://www.osaka-art.jp/
大阪府立現代美術センターより引用