a room展(小谷廣代・Liisa Hashimoto・猪原秀彦+element)

知人の小谷廣代さんと彼女の仲間達のグループ展の案内状を頂いたので、最終日伺いました。過去のblog日記検索してみると、2005年に同じメンバーでグループ展されていました。会場のシェ・ドゥーブルは、小谷さんのお店です。

a roomという展覧会のタイトルは、ギャラリーのオープンな入口に鉄製の扉(猪原さん制作)を設けて閉じる事で、roomとしての設えが意識されている様子。(画像転載許諾済)
作品の持つ、空間次数のようなものが、微妙にずれていて、小谷さんの平面作品が強いフレームの中に納められながら、2.5次元的な断片へ、Liisa Hashimotoさんの靴をテーマにした小さなアクセサリーは3次元から、例えば靴のつま先を極端にしたように引き伸ばされ、かつコマ送りのように断片化されている。
対照的に、猪原さんの家具や建具などの有用性をまとった作品は、空間にフィットして、揺らがないで静止している。
それらを見ながら、小谷さんに最近自分なりに考えていた事など話してみた。
過去の自分が作っていたものを振り返ると、「眼球運動に伴う心の安定」を無意識のうちにテーマにしていたように感じる。それは娘の療育や行動療法について学んできた過程で知った、EMDR的なセラピーにもつながるような方法であった。人の視覚認知は、眼球の飛び飛びの動きをつなげていって、滑らかなイメージを獲得できているように感じられ、それをアートとして、緩慢な動きとして描くことではなかったかと。
人間的能力の限界として、獲得することのない、全体像のようなもの、それが得られないとしても不安では無い、そのようなイメージを描くこと、それは決して無駄な徒労では無い。



a room展(小谷廣代・Liisa・猪原秀彦+element)
会場:シェ・ドゥーブル
大阪市西区阿波座1-9-12
2009年11月3日〜21日(12:00〜23:00)日祝休廊