こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。今日もいつもの担当のITさんとIDさんお二人で見ていただきました。

今日の課題
1、パソコン課題 
2、いつ、どこクイズ
3、文の記憶(聴覚呈示)

療育の部屋の奥にプレイルームが備えられていて、僕達夫婦はそこで待機。

1のパソコン課題は、1分間に打てる文字数が、6回のテストで、17→21→14→24→29でした。前回から約三週間開いたので、今日は少し負荷が掛かったようですが、でもよく回答できている様子。
2の、いつ、どこクイズは、視覚呈示課題と聴覚呈示課題と両方して、差があるか観ていただきましたが、短期記憶の容量が小さい為か、長い文章を思い出すのに負荷が掛かり、どちらもあまり差はなかった様子。設問の「どこ?」「いつ?」も混同していて、特に昨日、今日、明日のような区別は難しい様子。
3の、文の記憶(聴覚呈示)は、短文を読み上げて、直後、5秒、10秒、15秒経ってから回答させるもの。
少し前に実施した際の結果、2語文(直後○、5秒後×、10秒後×、15秒後×)はあまり良いものではありませんでした。今日は、
2語文(直後○、5秒後△、10秒後○、15秒後△)
3語文(直後△、5秒後△、10秒後△、15秒後×)
4語文(直後△、5秒後×、10秒後×、15秒後×)
と、2語文以上になると、やはり短期記憶が弱い為か難しくなる様子。
でも、負荷が掛かるとアーチャンは、ストレスの為か以前はスキンピッキングしましたが、今日は比較的少なくて、また何とか答えようとする姿勢もあるので、今後も継続して取り組む予定との事。
4の、カタカナ課題は、なぞり書きはできるが、一から描くのは難しい様子。しばらくカタカナを書く練習必要。書くことで覚えることも重要(後天的な脳損傷の為に失読症となった人は、視覚的に文字を呈示しても読めないが、でも文字を書いたという運動としての記憶は残っていて、文字を型どったピースを目隠しして触ってみると、文字を読める場合があるらしい)

今日の療育でも、やはり短期記憶の弱さの為につまづいているところが明らかであり、しばらく短期記憶をどこまで伸ばせるか継続する予定との事。しかし短期記憶の改善が見られない場合は、違うアプローチの方法もあるので、そちらで取り組む予定との事でした。
アーチャンの場合、短期記憶は弱いのですが、何故か長期記憶はこちらが忘れている事などとても良く覚えている事がしばしばあり、不思議に感じていました。担当のITさんのお話では、人間の脳の働きで、感情の大きな起伏とともに記憶したもの(フラッシュバルブ記憶)は忘れ難くなるらしく、例えば9.11のテロを経験した人や阪神淡路震災を経験した人は、その時の光景を忘れないし、ありありと思い出せる。アーチャンの場合、感情の起伏が大きくて、それが作用している可能性が考えられる。(自閉症の人も、長期記憶が強い傾向があるらしく、自律神経の働きを示すGSRが定型発達の人の三倍程度あるらしく、これはITさんの予測との事で、まだ定説とは言えないのだそうですが、感情の起伏による記憶がおきている可能性が示唆されるのだそうです)
アーチャンのprader-willi症候群は、興奮しやすい傾向もあるようですし、アーチャン自身も少しづつ、精神面の問題が見え始めているので、関連がありそうですね。
最近の研究で自閉症の人の扁桃体は定型発達の人に較べて肥大しているらしく、PWSの場合も、特に欠失型の場合、食事の際の脳の反応で扁桃体が強く反応しているらしいので、過食症との関連も併せて解明していくと良いなと考えます。