こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。今日はいつもの担当のITさんとIDさんの他に学生さんのOさんも見学で参加されました。

今日の課題
1、パソコン課題 
2、ひらがな よみかき ちいさな「ゃゅょ」
3、きいてこたえる
4、図形のクイズ

療育の部屋の奥にプレイルームが備えられていて、僕達夫婦はそこで待機。

2の、ひらがな よみかき ちいさな「ゃゅょ」の課題は、かなり言えるようになっている様子。「きゃきゅきょ」を最初にしたためか、「しゃしゅしょ」も「きゃきゅきょ」と読んでしまう。苦手な文字はこちらで発音してやればできる様子。先週は少しストレス掛かったようで、スキンピッキングしたが、今日は慣れてきたのか無かった様子。「きゅ」等の文字を写す課題では、大きい「き」はマスの中にうまく配列したが、小さい「ゅ」は四等分したマスの中でうまく位置が定まらないので、ITさんが配置を黄色いマーキングするとうまく出来るようになったようだ。
3の、きいてこたえる課題は、前回よりも語文数を増やして、四語文。
「例文りんごは、あかい。ばななは、きいろ」「Q=りんごはなに?」「A=きいろ」と最後の文章に引っ張られてしまう様子。
他の例題は少しヒントを与える事で回答できている。
「例題しろくまはしろい。テレビはおもしろい」「Q=しろくまは?」「A=くろい」と回答。これは何度繰り返しても「くろい」と答えていた様子。そのことをITさんから言われて、カーチャンは、「しろい」と「くろい」を混同して言うことが普段ある様子を伝える。もしくはテレビのボディの色の黒にイメージが引っ張られているのだろうか?
アーチャンは回答しながら、ITさんやIDさんの反応を見て、答えを決めている様子らしい。
4の、図形のクイズの課題は、先週に続いて、重なる立体を見たときの認知を調べていただいた。先週は見て描く課題で、うまく回答できていなかったので、今日は、描く以前に認知自体ができているのかどうかを確認していただいた。
立体と色の棒が重なる立体を見せて、二択で回答する課題。これは全て正解していたので、認知自体はできているのではないかとのお話。以前、こちらの取るポーズを真似て同じポーズをさせる課題の時も概ね出来ていたから、やはり描画の段階で難しくなっているのか、あともう少し角度を変えて検証していただく予定。おそらく問題は、この課題の場合でも、重なる図形同士の関係の認知も重要だけれど、それに先立って、立体自体をどう認知していて、描画の段階でどうそれがつまづいているのかという点ですね。

前回から、IDさんが交換日記をしようとアーチャンに日記帳を最初の一ページ目を書いて渡してくださいました。アーチャンは翌日のワークショップで作ったセミのおもちゃと糸電話を描いています。ここで描いた立体表現は今までに無い表現となっていて、少しずつ変化してきている感じがします。

左側が糸電話で、右側がセミのおもちゃ。糸電話の紙コップの描き方がとても面白く、いつものように、キュビズムのように各面が展開図のように描かれてつながっているのですが、それぞれが、見た時の自己を中心とした描像になっていて、ゆがみをもっています。

上から見た丸い縁の表現は、底にももう一つの丸が見えています。ちょうどコップの底を覗いた時の感じですね。そしてさらにユニークなのが、紙コップのボディの表現ですが、いくつかの組合せの写真を見せて、どう見た時の姿なのか聞いてみますと、糸のついている底の側から見たときの姿らしい。
アーチャンがこれだと言っている見え方の写真。

他の見え方の写真。

それが見えているのだとすると、全体像が自己を中心とした描像として見えていて、描くこともできていることになりますが、でも、上から見た時の縁の表現が展開図のようにくっついていて、これは発達のひとつの段階なのか、とても興味深いですね。自己を中心とした描像が描けることが心の不安感の安定化につながると考えていますので、繰り返し描くことで、完全な描像でなくても、そのことに気付いてくれる手掛かりになれば良いなと思いますね。この交換日記の形式は、アーチャン自身もとても好きなようだし、相手のIDさんに見て欲しいという強い表現欲求によって、必死で描いている感じがしますし、その良い作用でいろいろな気付きに結びついていくように思います。IDさん感謝です。もともと保育所の頃のお友達との絵手紙交換が、アーチャンが文字や絵を描くことでコミュニケーションできることと、その喜びに目覚めるきっかけになったし、小学校の宿題でだされる日記の課題とともに、今また保育所の頃と同様に新しい認知が始るきっかけになってくれそうに思い期待したいですね。