母ザル、子に歯磨き「教育」

毎週土曜日にアーチャンが療育で御世話になっている正高信男先生の研究が公表されていました。最近いろいろなことの起源に興味が湧きますし、特に意識の起源というテーマは全てが解明されないまでも、検証していく過程でたくさんの副産物があるのでしょうね。こころの未来研究センターでの療育で、アーチャンの計算能力の有無を調べていただいたことがあり、二つのドットのグループの大小を判別する課題で、うまく回答ができていて、基礎的な計算能力は有ると分かったのですが、その能力は野生動物に元々備わっているものらしく、敵と見方の勢力を見極めて攻めるか逃げるかの一瞬の判断をする力となっているらしく、そのお話を担当のITさんからお聞きした時、とても希望が湧きましたし、基礎的な研究が人間での療育にも良く活かされている例と感じました。

人の髪を使って歯磨きする野生のカニクイザルの母親は、子どもが見ていると髪を何度も口から出し入れするなど大げさに道具や使い方を見せる教育のような行動をすることが、京都大霊長類研究所の正高信男教授(霊長類行動学)らのグループの研究で分かり、米科学誌「プロスワン」で10日に発表した。(中略)
正高教授は「人以外の動物で、教えるという行為が初めて見つかった例ではないか。見せるという行動が本当に教育につながっているかを検証し、動物における教育の起源を解明したい」としている。
京都新聞より引用
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009031100028&genre=G1&area=K00

野生カニクイザルの母ザルは子どもが見ていると道具使用を大仰にしてみせる
京都大学 グローバルCOEプログラム 活動レポートより
http://gcoe.biol.sci.kyoto-u.ac.jp/gcoe/jpn/report/2009/03/plos_one.php