こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。今日も担当のITさんとIDさんのおニ人で見ていただきました。

今日の課題
1、パソコン課題 ひらがな(一画なし)
2、ひらがな カタカナ よみかき
3、タングラム
4、どうするゆうきくん 第6話おふろみてきて

療育の部屋の奥にプレイルームが備えられていて、僕達夫婦はそこで待機。

1のパソコン課題 ひらがな(一画なし)は、最近の研究で、漢字苦手な子どもの為の課題として、漢字の一画だけ消した文字を見せて、その一画を描かせると、漢字の習得が良くなることが報告されているらしく、ひらがなも同様に言えるのではとの推測で試みられました。あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ、の課題の内、「さ」だけは消した一画が最初の一画目だった為か描けませんでしたが、他の文字はうまく描けた様子。
2のひらがな カタカナ よみかきの課題では、小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」の練習をしました。しゃ、しゅ、しょ、は発音が難しいのかうまく言えないので、発音練習も今後必要になる様子。頭の中で音を組み合わせて応えている感じで、2〜3秒掛かっている。でも音が出るようになってきているので、良い傾向だし継続して取り組む予定との事。
またカタカナ二文字の課題は、アとマ、シとソなど類似した文字の判別が難しい様子。少しストレス掛かる様子なので10問の予定を5問で終了。(このところ肌荒れがひどくなっていて、またストレス掛かると掻きむしるので、気になっているところ。悪循環から早く抜け出さないと思う)
3、タングラムはとてもスムーズに回答できていました。アヒルや菱形の外形の図形の中を四角や三角の図形で隙間無く埋めていくパズル形式の課題。prader-willi症候群はジグソーパズルが比較的得意という研究がありますが、実際に今日後でビデオ映像観た印象は確かにそんな感じがしました。
4のどうするゆうきくん 第6話おふろみてきては、ゆうきくんのお母さんから、お風呂を見てきてと言われて、ただ見て帰ってきたシーンからいくつか設問に回答。これは少し難しかったのか設問に対してほとんど理解できていない様子。

ITさんと今日のふりかえりをしている間、アーチャンはIDさんとお絵描きをして遊んでいました。いろいろ画用紙にIDさんと一緒にお話しながら描いています(右上の辺りはIDさんが描かれたもの)
そのうち、ぬいぐるみのコゲパンを見て描いた絵は、少しずつですが重なり図になりつつあるようで、不充分ではありますが、自分から見た描像を掴みつつあるのではと期待してしまいます。


ITさんに自分なりに感じている事をお話してみました。アーチャンの描く絵(同じ疾患の子どもさんや大人にも共通している)に見られる、重なり図が描けない傾向について、観察者中心座標系の描像の部分の弱さと環境中心座標系の認知との関係がうまく融合していない感じがしていて、まだうまく考えとしてまとまりませんが、それがひょっとするとこの子達の精神面での不安感に結びついているのではないかと推測しています。重なり図が描けるイコール観察者中心座標系の描像の認知の発達と、環境中心座標系の認知とがうまくミックスされることが、認知面、精神面でとても大事なことではないかと、最近いろいろな分野の専門家の研究を拝読して、そう感じてきています。アートセラピー的な関わりをすることで、重なり図的な絵そのものの表現を獲得することがもちろん目標ではなく、その先にある精神面の安定に結びつくのではないだろうかと、これは自分自身の描くことで獲得してきた世界観からの推測でもあるし、そうあって欲しいと願っています。
この1ヶ月ほどの間に、関連する研究者さん達のセミナーがいくつかあるので、拝聴したいと思っています。

乾先生の編集された研究書の中の、デビッド・マーの立体認知のメカニズムの解説はとても興味深いものがあります。直接お話を聞きたいところですが、今日、療育で京都大学さんに行った際気付いたので、既に満席らしく、締め切りとなっていました。当日何とか聞きたいな。

京都大学市民講座
第1日目 2月14日(土) 
第1講目13:00〜14:30  イメージを「創る・観る」脳のしくみ
 情報学研究科 教授 乾 敏郎 
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h8/d2/news4/2008/090221_1.htm

知覚と運動 (認知心理学)

知覚と運動 (認知心理学)

以前講演をお聞きした中谷礼仁先生のblogに、郡司ペギオ幸夫さんのセミナーの紹介があり、そのセミナーのプロフィールを読んで、何となく脳に電気が走るような衝撃を受けました。これは先着順なので、お聞きしたいですね。「主観的描像と客観的描像を媒介する装置としての不在」というのは自分なりに解釈すると、意識の起源という事なのでしょうか?

郡司ペギオ-幸夫|ぐんじ・ぺぎお・ゆきお
1959年生まれ。理論生命科学神戸大学理学研究科地球惑星科学科教授。最近の興味は、主観的描像と客観的描像を媒介する装置としての不在を、どのように生命の理論の中に位置づけるか(不在は、無であるにもかかわらず、局所的位置を指定することで、全体を逆照射する)にある。その一例としての可動式心霊写真実験。
http://www.artstudium.org/profile/gunji.htm

講演会「ラディカル・ダイアローグ」
3月7日(土)14:00–15:30
郡司ペギオ幸夫(神戸大学理学部地球惑星科学科教授)+
銅金裕司(メディア・アーティスト)
京都国立近代美術館 1F 講演室・ロビー
http://www.momak.go.jp/Japanese/news/2008/20090228-0328.html

生命理論―第1部 生成する生命/第2部 私の意識とは何か