堺市文化財特別公開

堺市文化財特別公開のイベントとして、今日は特別に伝統技能の実演をされるところがいくつかあるので、お昼前から阪堺線チンチン電車に乗って、家族で出掛けました。レトロな雰囲気の阪堺線に乗ったり、昔の街並みや民家の中でお話をお聞きしたり、伝統技能の実演を拝見していると不思議に時間が経つのもゆっくりになったような気がします。とても楽しい時間が過ごせました。感謝です。またゆっくりと散策してみたいですね。

文化財特別公開
http://www.city.sakai.osaka.jp/kanko/h20tokubetukokai.html
堺市役所のHPより

最初に、阪堺線神明町で降りてすぐ近くの堺刀司さんへ行きました。文化2年(1805年)創業の刃物製造販売所という事で、中で御主人からお聞きしたお話は、包丁の発祥から始まり関西と関東との刃物の形による文化の違いにまで渡る幅の広いユニークなものでした。本当は2時間くらい掛かる話を観覧希望者で行列ができているので、市の担当の方から、15分に短縮して下さいとブレーキ掛けられていましたが、そんなの関係なしでゆったりと丁寧にお話いただきました。
最初は江戸時代にポルトガルなどから輸入されたタバコを切る為のタバコ包丁http://www.sakaihamono.or.jp/hamono02.htmlが発祥で、日本にはタバコ包丁が無いので、一緒に持ち込まれた包丁を見て作ったそうです。幕府はタバコ自体は自由取引として、タバコ包丁の方を専売としたらしい。それでタバコの普及とともに刃物製造が発展していったそうです。時代が過ぎて、日本全国にタバコが普及した頃にタバコ自体を専売とする制度変更があり、タバコ包丁の需要が無くなった頃、うまく料理包丁などの需要を得て、現在に至るそうです。いろいろな包丁を見せていただいて、その中にスマップがビストロスマップの中で使っているものもこちらで製造されているらしく、包丁の銘のところに、木村拓哉とか入っていました。関東の包丁は形を比較すると四角く、関西のものは丸みをおびているとか、それからウナギをさばく包丁も各地で形が様々でした。
もっとお聞きして居たかったのですが時間となり、隣のお店のほうで名入れの実演を見せていただきました。こちらも熟練の職人さんがポンチ一つで銘を入れていきます。お聞きすると、漢字よりも、ひらがなのような曲線の方が難しいそうです。

阪神淡路震災の際に内部は相当被害を受けたらしく、改修されたとの事。現地は道路も広く周囲は開発されてマンションも多く見られますが、こちらは200年に渡り維持されていて、その心意気に打たれますね。ガス灯も形は当時のままで残されているようです。

堺刀司 [信田藤次郎家]http://www.sakai-tohji.co.jp/
http://www.city.sakai.osaka.jp/kanko/h20tokubetukokai19.html
公開期間 11月9日(日)のみ
公開時間 9時〜16時
包丁の名入れの実演あり
拝観料 無料

堺刀司さんを出た時お昼時間だったので、初めてのところだし、いただいた周辺のお店マップ見て、すぐ近くの「へんこつ屋」さんでラーメンを食べました。ラーメンも唐揚げも餃子も美味しかったですね。これを書いているうちにも思い出してお腹が空いて来るくらい。壁のメニューに最初はこのラーメンをどうぞ、と若葉マークの絵が張ってあったり、レンゲはありませんと張ってあったりと、その他いろいろ楽しい雰囲気。また食べに来よう。お店の壁に張られている切り抜き見ると、通販生活での紹介記事。こういう楽しいお店があると町が潤いますね。御主人はデザインナイフ作りの職人さんと言うかアーティストさんでもあり、いろいろと刃物についてのお話もお聞きできて良かったです。刃物作りは分業化されていて、全てをこちらのように作るところはほとんど無いらしい。成る程。

それから北へ歩いて行くと、鳳翔館というこれは市のパンフレットでは紹介されていないようですが、カーチャンが見ておきたいと言うので入ってみました。御夫婦で開設されたギャラリーらしい。お茶どうそ、お嬢ちゃんにはジュースどうぞ、お菓子どうぞ、お饅頭どうぞ、お土産にこちらもどうぞ等々、なんでここまでしてくださるのか良く分からないのですが、見ていると我家だけでなく、あとから来られる方にも皆さん同じようにされている。火縄銃のコレクションされていて、初めてかついで照準を合わせてみた。かなり重い。御主人が鎧兜ありますから記念撮影にどうぞと勧めていただくが人格入替わりそうで恐ろしく、丁重にお断わりしました。

鳳翔館
http://www.sakai-tcb.or.jp/spot/spot.php?id=230
堺観光コンベンション協会のHPより

それから少し北へ歩いて、水野鍛錬所鍛練工房へ行きました。こちらも長蛇の列で小一時間待ちました。古式鍛錬の実演の見学の前にお店のほうで由緒などお話いただきました。その中で法隆寺五重塔の棟飾りの魔除けの釜をこちらで造られたらしく、レプリカを触らせていただきました。300年に一度の大改修の際に棟飾りも作り変えるらしい。また堂宮建築で使用する鍛鉄の巨大な釘も拝見。鍛錬用のハンマー(名称忘れ)も持たせて頂きましたがとても重く危険な作業と感じました。僕は無理。
古式鍛錬の実演は初めて拝見しましたが、日本刀を造って居られ、張り詰めた空気とふいごの音や鍛錬で飛び散る火花の姿に魂を鉄の中に折り畳んでいくような凄みを感じました。


水野鍛錬所鍛練工房
http://www.mizunotanrenjo.jp/index_j.html
http://www.city.sakai.osaka.jp/kanko/h20tokubetukokai18.html
公開期間 11月9日(日)のみ 古式鍛錬の実演あり
公開時間 9時〜16時 ※休憩11時30分〜12時30分
10月31日〜11月9日は、魔除け鎌(法隆寺五重塔に奉納)に触れることができます。
※協賛セールあり
拝観料 無料

こちらは実演等なく、展示のみでした。普段は非公開で今日だけ特別に公開されているらしく、建物の痛みも相当厳しい感じでした。写真撮影も禁止でした。

鉄砲鍛冶屋敷
http://www.city.sakai.osaka.jp/kanko/h20tokubetukokai17.html
公開期間 11月9日(日)のみ
公開時間 10時〜16時
拝観料 無料

見学の最後は御線香屋さんの薫主堂。お店の線香を購入した方に手廻し線香絞り機の実演で一緒に線香作りをして、出来上がった線香も持帰れると言う趣向。アーチャンとカーチャンとで一緒に参加してラベンダーの香りの線香作りをしました。撮影禁止にて画像は無しです。

薫主堂
http://www.city.sakai.osaka.jp/kanko/h20tokubetukokai20.html
公開期間 11月9日(日)のみ実演あり
公開時間 9時〜18時 ※手回し線香絞り機の実演時間 10時〜12時、13時〜17時
拝観料 無料