青春のロシア・アヴァンギャルド展

少し休憩してそれから5階のサントリーミュージアムへ。各地を巡回しての展覧会ですが、シャガールカンディンスキーの作品が贋作ではないかと著作権者サイドからクレームが付き、それらの作品を除外しての異例の展覧会。僕が見たいのはやはりマレーヴィッチですから、シャガールカンディンスキーの作品が除外されても見に行くつもりでしたが、とばっちりでカタログは回収されたみたいで販売されておらず、重ねてがっかり。でもそれ以外の作品の真贋は大丈夫なのかと不安になるような展覧会はあまり気持ちの良いものではないですね。特にマレーヴィッチのような抽象を極限まで進めた作家のものは、疑い出したらきりが無いし。
初めて見るマレーヴィッチの実作は、イメージしていたハードエッジなものとは少し違っていて、初期の農民を描いたタブローから通底している温かさのようなものがありました。(モンドリアンの具象から抽象絵画への流れの中にもよく似た一貫性を感じた事がありますね)
彼らの思想信条はスターリンから弾圧されロシア・アヴァンギャルドは、1930年頃には消滅したらしい。それ故に展示の最後のところで、マレーヴィッチが生き延びる為にやむをえず具象絵画の肖像を描いていて、その二枚のタブローを見たときに不意打ちのような、悲しみに襲われました。なんて可哀想なマレーヴィッチ。絶句

青春のロシア・アヴァンギャルド
サントリーミュージアム[天保山]
会期: 2008年9月25日(木)〜 11月3日(祝・月)
休館日: 会期中無休
開館時間: 10:30〜19:30(最終入場は19:00まで)
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/gallery/index.html

次は岐阜県美術館で開催
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s27213/exhibition/200811/ra_top.html