ペントハウスの会展

アーチャンをいつもかわいがってくださる吉行洋子さんから案内状頂いたので、午後家族で伺いました。仕事の打合せが都合よく会場近くであったので、打合せ終ってから妻子に連絡して現地で合流。
少し前に京都で御家族で展覧会された時http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080711/artの、白い石膏のオブジェたち数点と、ベラスケスの「ラス・メニーナス」に触発を受けて制作された、ピカソラス・メニーナスをさらに立体化して配置するというユニークなイメージの作品。
アーチャンは京都で見たネズミのオブジェをよく覚えていて、何度もこちらに伝えてくれます。
ラス・メニーナスには多くの不思議なイメージが溢れていて、一度見ると忘れられなくなるような強烈なものがありますね。おそらくピカソにしても、また吉行洋子さんも、そのような強烈なイメージに惹かれながら、いかにしてそれを解体し新たなイメージを構築できるのか、そのようなトライをしているんだろうと空想した。ピカソにあっては、キュービスム的な視点の循環が様々な虚飾を解体し、それにさらに次数を与えた洋子さんの立体化の試みは、よりキャラクターそれぞれの個性に迫り、視覚的な単一のビジョンや絵画的な平面上での同時存在的な束縛を解体して、視点を輻輳したものへと導くような方法と感じました。

ペントハウスの会展
展示室B  9月29日(月)〜10月4日(土)
http://www.osaka-art.jp/blog/news/
大阪府立現代美術センター

ベラスケスのラス・メニーナスについては、以前、中野京子さんの「怖い絵2」で、敬愛するファン・カレーニョ・デ・ミランダさん(17世紀のスペインの宮廷画家でprader-willi症候群児の肖像画が残されている)の章読んだ時に、関連してベラスケスもたくさんの障害者たちを描いていたことを知り、このラス・メニーナスにも多くの障害者たちが登場していて、それぞれの登場人物に物語があることを知り、興味を持っていました。その際に読んだ児童向けの本のなかに、描かれていたストーリーに、それが史実であるのか創作であるのか分かりませんが、手前に描かれている犬が最初は障害を持った少年であったとのくだりを読んで、この時代において障害者がどのような扱いを受けていたのか、よく分かりまたショックも受けました。

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怖い絵2

怖い絵2