こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。
担当のITさんとIDさんと、2名の方で見ていただきました。

今日の課題
1、フロスティッグ視知覚発達検査

今日も療育はアーチャン一人で受けて、僕たち夫婦はスクリーンの奥で待機。
先日の小学校での授業参観で、人体モデルを使った課題で、腕と体が重なったポーズの時に重なる姿をやはり描かなかったし、PWSの同じような年齢の子供達も成人の人も重なる図形の絵を描くのを見たことが無かったので、それはPWSの視覚認知の特性なのか?と思うようになったので、ITさんに相談、フロスティッグ視知覚発達検査でその辺り確認してみましょうという事となった。

課題1a,1b:A点からB点へ直線や曲線の道の中に線を引いてたどり着く(良く出来ていた)
課題1c,1d,1e:点と点を結ぶ(良く出来ていた)
課題2a:複数の重なった図形から、三角や四角など指示された図形の外周をペンでマークする。十字と丸と重なった課題で、十字を指示すると、十字と丸の交差部については、十字が円弧で一部カットされた形でマークされていた。他の課題は問題なく回答している様子。
課題2b:さらに複雑な形状の☆マークが重なった図形から☆型をマークする。こちらも丸との交差部で丸い形に認識が引っ張られている。ひし形も認識し難い感じ。でも楕円の卵型は、うまく見つけることができた様子。
課題3a:たくさんの複雑な図形の組合せの中から、指示された正方形や丸の図形を見つけてペンでマークする。丸はよく見つけるが、正方形は陸上トラックのような形を誤認したり、難しい様子。
課題3b:3aと同様。正方形と長方形の区別がついていない様子。
課題4a:机や椅子の絵が並んでいて、向きや上下の違うものを選ぶ。良く出来ていた。
課題4b:花や雪だるまのイラストと、右の欄に同じような絵がたくさん並んでいて、課題と同じ絵を探す課題。これは非常によく出来ていた。
課題4a,4bともに、回転した図でも素早く判別できたらしい。ITさんのお話では、他の図判別の課題でも、しきりに図に対して、体に角度を付けて、斜めから図を見て判別していたらしい。この辺りもこの子の視覚認知の特性に関わるものなのだろうか?さらにいろいろな事が分ると良いですね。
課題5a:点と点を結ぶ課題の複雑なサンプルを見て真似る。複雑な課題はうまく点と点を結び付けられませんが、外形の雰囲気は何となくうまく捉えている様子。
以上でテスト終了。採点評価は次回予定。

先日の小学校での授業参観http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080530/artanartで、人体モデルを使った課題で、腕と体が重なったポーズの時に重なる姿を描かなくて、腕と体は分離した状態で描いた件について、ITさんとIDさんの予想では、絵を描く際にイメージを短期記憶として入れておかないといけないので、短期記憶の弱さの部分で、描く際に見たものとは違って、分離した状態で描いてしまうのではないかとの推測との事でした。
この辺りについて、次回以降の療育で、「腕組みしている姿の絵を見せてアーチャンに同じポーズを取らせる」とか「ポーズにマッチしている絵はどちらか?」などのマッチングテストをしていただくそうです。
それから、小学校のたんぽぽ教室の先生から御指導いただいた、算数の足し算の場合の教え方http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20080602/schoolについて、幼児の数概念についての研究論文の一部をコピーして提供していただき、詳しく教えていただきました。足し算手続きの発達レベルがレベル1からレベル4まで図解されていて、その他基礎的な内容が記述されていて、とても参考になりました、感謝です。
小学校からの連絡帳に記載されていた、足し算の教え方(数の大きい方に丸印をつけて、それを頭に暗記して、そこから小さい数を足す)は、カウントオールの状態(1から課題の数を全部指折り数える)のレベル1から少しレベルアップしたレベル2のやり方に、さらにミン(min)モデルという「子供は足し算において、二つの数の大きい方を最初に選び、それから小さい方の数を足していく」幼児の傾向を利用した方法だそうです。有効な方法ですが、問題点としては、僕も少し気になっている、指5本による数数えで、指5本に制約を受けて、例えば2+6=の場合のように、5を超えた数の課題の場合、以前の療育でも、うまく出来ない場合があったので、そこでつまづく可能性があることだそうです。
次回、その辺りも含めて、そろばん状の道具を使って、訓練をしていただきます。
最後に、カーチャンが少しアーチャンの数数えのパターンで気付いた事お伝えした。1から10まで順番に数えることはうまく出来るが、途中の数からやろうとすると、次の数が何故か8に飛んでしまう様子。さっそくアーチャンにその場でテストしてみると、確かに8へ飛んでしまった。これは原因よく分らないようですが、頭の中でまだ数の概念がうまく構築、定着できていないのは、この辺りからもよく見えてきますし、落ち着いて、何とか定着していくよう、刺激与えていくしかないでしょうね。
毎回、丁寧な指導感謝です。

ITさんとのお話の間、アーチャンは、IDさんと前回同様に、折り紙をしていろいろな形を作って、最後に台紙に貼っていました。