'Hungry Eyes'

PUBMEDに、prader-willi症候群のジグソーパズルの能力についての研究等されているDykens先生の、PWSの視覚認知特性についてのユニークな研究が発表されています。
内容がとても専門的で難しいものでしたので、毎週土曜日に療育で御世話になっている、京都大学の、こころの未来研究センターの、担当ITさんに御願いして、論文読んで頂いて、先日の療育の際に解説していただきました。ITさん感謝です。

アーチャンは欠失型ですし、現在過食症という厳しい状況ではまだありませんが、決して食べ残しはしませんし、どんなかけらも見つけて食べますし、家族が食べ残しているのを見つけると、厳しく指摘しますから(あんたはワシの親か?と思うほど厳しい)、食べ物の視覚刺激に対しては強く反応しているように思いますね。また落したものとか汚れとかまったく気にしないで口に入れたりもしますので、下記にあるような「食べ物と草」みたいな状態でも気にならないのでしょうね。この辺りの特性は家族だけでなく施設等の担当の方にも共有していただく事で、疾患の特性として、バイアスの掛からない理解を助ける手掛かりになりそうですね。研究の進展に期待したいです。
解説いただいた概要は下記です。

視覚の食物刺激に対しての反応が、PWSの場合、健常者に較べて強く、N1(0.1秒後)での早い反応が、P3(0.3秒後)でも持続している。さらに同じPWSでも、欠失型の方がダイソミーに対してより強く反応している。
興味深いのは、食べ物の質に対しての意識が欠失型の場合、例えば課題が「食べ物と草」を同時に示している場合でも食べ物として認識していて、質よりも量への嗜好が見られるのではないかと推測しているところ。ダイソミーの場合は食べ物の質に対して意識が欠失型より明快な傾向。
ただし、そのような実験結果が実際の生活の中でも同様な反応をしているか否かについては不明なので、慎重に継続して探求する必要がある。

'Hungry Eyes': visual processing of food images in adults with Prader-Willi syndrome.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18422527?ordinalpos=6&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum
PUBMEDより引用