はなす手☆つなぐ手

2年前に観劇させていただいた、「はなす手☆つなぐ手」の原作者さんから昨日メールをいただきました。モデルだったprader-willi症候群の妹さんが今月始めに御亡くなりになったとの事です。お会いする事はありませんでしたが、劇の中での様々な場面が思い出されます。ラストのところ、ハッピーエンドなミュージカルだったこと、今思うと、ハッピーエンドで良かったと感じます。御冥福を心から祈ります。
下記に関連する日記等情報転載させていただきます。
blog日記には、妹さんが施設で描かれた、楽しい雰囲気の絵が載っています。prader-willi症候群の成人の方の描いた絵画のデーターはとても少ないので、貴重な記録ですね。PWSの認知特性の研究に役立つと思いますし、その旨でデーターの提供も原作者さんに御願いしましたところ、快諾いただきました。妹さんも、きっと喜んでくださると思います。重ねて感謝致します。

はなす手★つなぐ手 http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20070723/art
第13回ヒューマニティ大阪市長賞を受賞された「はなす手★つなぐ手」の作者さんが、その全文を御自身のblogで公開されました。許諾をいただきましたので、紹介させていただきます。ほとんど情報の無い、prader-willi症候群の成人患者さんの現実を、姉妹の立場から描かれ、それを、演劇として公開してくださったことは、この疾患に対する社会の認知を広げることに大きな意義があったと感じます。感謝です。

はなす手★つなぐ手
http://blog.goo.ne.jp/goomiwa1015

はなす手★つなぐ手1
http://blog.goo.ne.jp/goomiwa1015/e/a9ce185c670a377bdef050829df146dc
はなす手★つなぐ手2
http://blog.goo.ne.jp/goomiwa1015/e/e2c630c3102cce5dc89a41e311af4005

はなす手☆つなぐ手 大阪市民劇団かけはし座の公演を観る
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20060225/art
福島区民センターにて、第13回ヒューマニティ大阪市長賞を受賞された、『はなす手☆つなぐ手』の公演を家族で観てきました。原作者さんの妹さんがprader-willi症候群で、このお話は実話を基に書かれたものでした。受付で、パンフレットやいろいろ頂いたものの中に、他の入選作も含めた作品集の文庫版も入っていて、演劇を見た後で、原作を読めるようになっていました。
このような活動によって広くPWSのこと、社会に認知していただける契機になりますね、感謝です。

演劇を見終わって感想
おそらくまだPWSのことがよく分っていない時代に生まれたのであろう、妹さんと家族の、PWSの行動の問題、過食症など諸症状に苦しむ日常を描いたお話は、私達にとっては、演劇として観ているのではあるけれど、一つ一つの場面がリアルに伝わってきて、演劇として、楽しめる気分にはなれなかったし、かといって、まったくのドキュメントでもないのだけれど、観終わって、少し開放感のない気分になりました。
様々な行動の問題が厳しくなり、老母の受任限度を超えて、家出騒動をきっかけに、兄弟姉妹達が初めて、事の重大さを知る。そしてPWSのことをネット等で調べ、知り合った親の会の仲間通じて、同じような苦しみを共有する家族達の存在も知り、自分たちなりに、母子分離させる事が最善の策と考えて、様々なサポートを始めるが、結果的にうまくいかず、かえって関係は悪化していき、精神科の病院へ入院する事になる。そして、環境の変化故か、幼稚返りした妹の姿に、命の再生のようなイメージを付託して、患者家族だけで閉じて苦しまず、さまざまな支援を受ける為に、手を離し、そして支援者達や専門家達が手を結ぶという、タイトルのところが象徴的に演じられ、一時帰宅できるまでに回復した娘さんと、ラストは明るいイメージのミュージカル(何故か平井堅のポップスターを全員で踊り歌う)で幕。
実家、実家の近所、姉家族の家、姉家族の家の近所、病院、精神科の病院と、かなり頻繁に場面転換があり、その都度暗転する為、少し集中を欠きやすい構成になっていました。暗転の際でも、本来避難用に若干の照度が必要ですが、かなり暗くなっていたので、アーチャンは、僕達の手をその都度握って、不安そうでした。