重森三玲庭園美術館見学

午後3時のアーチャンの療育までランチの後少し時間が空くので、京都大学の正門のすぐ近くにある、重森三玲庭園美術館を観てきました(要予約)
担当の方から丁寧な由来の説明をお聞き出来るので、よく理解できました。
江戸時代中期の住宅を譲り受けて自宅として、最近まで実際に使用されていたそうですが、隅々まで目が通っていて、住宅としてのくつろぎの雰囲気と書院としての聡明な雰囲気とが混ざり気持ちの良い体験ができました。
門からのアプローチは左対角の流れになっていて、サッカーの審判を若い頃経験して、対角線審判法の走り方が、いかに人間の感覚の理にかなっているか良く経験している自分にとっても、とても分り易く、平明な作りとなっていると感じました。
建物周囲の犬走りは、波打ち際のイメージらしく、直線的にならないで、枯山水の砂利の波模様と連動しています。石と石の間には門からのアプローチと同じ感じで、ベンガラで色を付けられたモルタルが使われていて、色彩感の統一が図られています。周囲の塀は元々あった土塀に漆喰で白く塗られたらしく、庭全体を明るい印象の物にしています。
どこの部分の眺めてみても、それぞれのイメージが湧いてきて、見飽きないですね。
書院の照明器具は、親交のあったイサムノグチさんが製作されたオリジナルのものをプレゼントされたらしく、庭に感じられるモダニズム的な感覚と連続した感触がありました。重森さんは、生涯、庭の仕事は個人の仕事として行い会社組織等にしないで、また徒弟制度もとらないで、弟子を取らなかったそうですが、庭作りの明快な論理は、継続可能なものとして、生きた物として体験がこうして出来ますね。とても気持ちの良い時間が過ごせました。

庭の写真(転載許諾済)
 
 
 

重森三玲庭園美術館
http://www.est.hi-ho.ne.jp/shigemori/association-jp.html