大阪・アート・カレイドスコープ2008

午後、大阪市内の各地で開催されている大阪・アート・カレイドスコープ2008を観ました。時間切れで、難波宮跡史跡公園は間に合いませんでしたが、それ以外の会場はすべて観ることができました。

大阪・アート・カレイドスコープ2008
http://www.osaka-art.jp/genbi/exhibition/kaleido_08/index.html
大阪府立現代美術センターのHPより

印象的な作品について

会場:大阪証券取引所ビル
作家:松井紫朗

ドアに取り付けられた臍の穴みたいなところから吸気して巨大な風船を膨らませている。ある女優さんが男の子出産されて、妊娠中の時の経験を「私の体には今おちんちんが付いているのよ」みたいなこと言ってた事思い出した。

会場:北野家
作家:石塚沙矢香


去年も参加されていて、赤い着物をモチーフにした作品で印象に残っていました。今回の作品は個人宅に残されていたさまざまな生活用具を天井から中吊りにして、時間が止まってしまったような感覚になりました。
ものを中吊りにするところ見ていて、操り人形を連想して、また西洋の場合のような上からワイヤーで吊る場合と、アジアのように下から支えるので仕掛けが太くて積極的に見せる場合との違いを思いました。昨年の石塚さんの作品http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20070321/artは、中吊りでもなく、下から支えているのでもないような曖昧な表現になっていて、そのことがユニークと感じていたので、いろいろな表現への試行なのかもしれませんね。
会場は個人宅にて、行政主催の企画にはバリアフリー等無理があると思われますね。

会場:芝川ビル
作家:かなもりゆうこ

ビニールのシートに薄く映る映像。クマちゃんが登場してアーチャン喜んでいましたが、表現はネグレストなどの問題を含んだ重いもののようですね。床にカッティングシートで出来た様々な形を見て、アーチャン剥がしに掛かり慌てて止めました。バチが当たったのかこの後、被っていたピンクの帽子紛失。

会場:船場ビルディング
作家:行武治美

屋上一面に敷き詰められた丸い鏡。草間彌生さんのミラーボールの平面版の様子。靴で踏んでいった跡があちこちに有。

会場:綿業会館
作家:大坪麻衣子

村野藤吾さん独立前に渡辺節事務所で担当されたらしい綿業会館。各会場の建築物についての詳しいガイドがあっても良いかなと前回に続いて思いますね。可能であれば内部での展示もして欲しい会場です。
展示は周囲のフェンスの中に銅版をはめ込んで一体化させたもの。銅版を腐食させて、エッチングの原版のような状態にしている。

各会場廻ってみて、建築物と一体化させてユニークな形にした作品が多く印象的でした。クリスト的な環境を梱包したり、強い対比の中に置こうとしすぎるアートは僕はあまり好きでは無いので、それぞれに良い印象がありました。
それぞれの会場での作品個々については多様なイメージが感じられ良かったのですが、大阪府の主催ということであれば、会場のバリアフリーということについて、配慮すべきではないかと思われるところが各所で見られました。
主旨として昭和初期の、大阪が大大阪と呼ばれていた頃に建造された建築物を会場に選ばれていて、かつ小規模なものが多かったこともあり、現状の改変が困難ということは一定理解できますが、でも、行政主催の展覧会であればこそ、さらにそのような歴史的遺産と呼びうる建築物の中には、耐震補強やバリアフリーに関して丁寧な対処をされているものもある訳ですから、理想像を提示する機会として取り組んで欲しいところです。
会場の中には、個人宅もあって、ここは狭い急な階段を利用しないと展示室にはアプローチできませんでしたから、ハンディキャップの方が来訪された場合、どうするんだろうと思いますね。パンフレットには一切そのような記述はありませんね。
実際、アーチャンも僕達夫婦でサポートしてやっとこさで上がれたし、お年よりの方でかなりあぶない感じで降りてこられた方がいて、階段の手摺の一部は何故か外れていて、バリアフリー以前の危険な状態で公開されていたので、この辺りも、至急対応策考えないと事故が起きる可能性高いと思いますね。