ギャラリー・インカーブ 吉宗和宏展

期間限定で設置されているギャラリー・インカーブさんの今月の展示、吉宗和宏展を観てきました。会場の展示は水彩画を中心に、それとフェルトを使ったオブジェのような作品が展示されている。ビデオで制作する姿が流されているが、展示作品以外にも銅板画や陶芸など、様々な手法で制作されている様子。水彩画では色を混ぜて自分好みの色へのこだわりがあるようだ。水彩画を描く時に画板に水テープて固定して描いて、紙のところ、水テープのところと区別無く描いていて、彼は自分でカットするので、縁の水テープのところも残している。ギャラリーの担当の方のお話では、今回の展示では額装するより生の状態での展示の方が彼の作品の魅力をより見せることができると考えて、カットした紙をクリップで留めて、かつ壁から少し浮かせて、その存在感を示す工夫がなされている。バックアップするスタッフの方達のお話や方法も含めてアートを感じさせる。
吉宗和宏さんの作品は、作品製作のスタイル含めて淡々としていて、その分、射程距離のとても広い作業であると感じます。
以前、TVでアトリエインカーブさんを特集した番組http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20071211/artを拝見した際に、施設長さんの言われていた、「1割がアウトプット(外部への作品発表)で、残りの9割は閉じる(日々のケア)」という部分が印象的でしたが、僕的には、残りの閉じた9割のところも作品と同様にアートなんだと思う時がありますね。
22日からのサントリーミュージアムでの展覧会も楽しみです。おそらく美術館という括りかたの施設では、日本では最初のアールブリュットをテーマとした展覧会でしょうし、多くの方に見て欲しい展覧会ですね。

http://g-incurve.jp/top.html
ギャラリー・インカーブのHPより

アトリエインカーブ展
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/gallery/next.html