偶有性の自然誌

茂木健一郎さんの「偶有性の自然誌」拝読(新潮社の季刊誌「考える人」2008年冬号)

考える人 2008年 02月号 [雑誌]

考える人 2008年 02月号 [雑誌]

とても興味深い内容ですし、継続して拝読したいと思います。
偶有性という言葉は使わなくても、類似の概念に、ものつくりをしていると、意識することも多くありますし、僕はそのような考えを、アートの分野での、「具体美術協会」の作家さん達のアクションを見ていて、強い影響と共に、批評的、批判的に乗り越えたいとの気持ちを込めて、「非決定論的な人間存在をメタ認知する装置としての無意識的な機械的決定論的方法」という捉え方をした事があり、個人的には、そのような考え方に一旦捉えられると、一種の中毒のようになって、そこからなかなか離れられないのではないだろうか?との思いを感じたりしています。茂木さんの連載に期待したいのは、そのような中毒や呪縛のようなものから、いかに自由になれるのか、という論点なのかも知れません。
茂木さんの論からは少し離れますが、その中で、この偶有性という言葉=contingencyが、心理学においては、随伴性と翻訳されることが多い、と説明されていて、PWSの行動の問題への有効なサポートの方法としての、行動療法や認知行動療法の用語の、行動随伴性の意味の理解が少し深まりました。その事も良かったです。

オペラント条件づけ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%81%A5%E3%81%91
Wikipediaより引用(行動随伴性について、解説有り)

最近読んだ様々なジャンルの方の著作でも、同様の考え方に接する事が多いですし、僕のように、ものつくりの人間でも、そのつくるプロセスについて、深く考える時に常に意識する考えでもありますね。

最近興味を持って拝読した、様々なジャンルの方の著作

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20070802/memo

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20060221/art

セヴェラルネス 事物連鎖と人間

セヴェラルネス 事物連鎖と人間