「ロシア皇帝の至宝展〜世界遺産クレムリンの奇跡〜」展

行き当たりバッタリで出かけたので、気楽に見て廻ったが、ひとつひとつの作品密度がとても高く、美術館を出た時には夕方になっていた。
ロシアの権力者達の強烈な統治者としての意識が、ビシビシ伝わってくる。イコン、聖職者の装飾品、吊下げ香炉、刀類、権力の象徴としての杖、等々。
少し前に観た、プラド美術館展に、出展されていた、17世紀のスペインの宮廷画家のファン・カレーニョ・デ・ミランダさん(娘と同じ疾患のprader-willi症候群の娘さんの肖像画を描かれたので、今もいろいろ資料を探しているhttp://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20060924/art)の作品「ロシア大使ピョートル・イワノビッチポチョムキン」で、大使が身につけていたものと同じ雰囲気の杖やマントのたぐいが今回の至宝展には展示されていて、あの絵画が持っていた、強烈な視線を改めて思い返していた。
ほとんどの宝石が、原石を磨いた程度の加工に見え、また真珠も当時はきれいな球のものが少なかったのか、淡水のものなのか詳しくしりませんが、ほとんどが歪んだ真珠が使われていて、荒々しい装飾と、強いデザインに思考停止状態になってしまう。
とくに良かったのは、トロイツェ・セルギエフ修道院の吊下げ香炉http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/img/obj/img04_2.jpgでした。不思議な印象、息を呑む。

http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/index-j.html
ロシア皇帝の至宝展〜世界遺産クレムリンの奇跡〜」展