明確な指示が自閉症の「社会脳」を「正常化」させる

専門家のblogで、紹介されていた論文。prader-willi症候群も、自閉症との関連あるようですので、もう少し詳しくしりたいところですね。「表情」と「声のトーン」に注意を払うようにさせる指示ですか。以前、お聞きした講演会http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20061213/memoで、「笑顔」の効果についてお話されていたのを連想しました。相手の顔や声色から、感情を読み取るというところも、適切な関わりによって、反応できるようになるということなのでしょうね。

Reading affect in the face and voice: neural correlates of interpreting communicative intent in children and adolescents with autism spectrum disorders
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?Db=pubmed&Cmd=ShowDetailView&TermToSearch=17548751&ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

以前、お聞きした講演会も再掲載しておこう。

「遊びと余暇活動の指導」
今朝、同じ小学校の少し上のクラスのお母さんから御誘いを受けて、発達障害のある子供の子育ての講習会に夫婦で参加しました。約2時間の講習のうち、先生のお話が1時間、質疑応答が1時間くらいあり、参加された親、生徒さんの行動の問題への対応に悩んでおられる中学校の教員の方からの切実な質疑などがあり、とても有意義でした。ありがとうございます。後日、記録として、まとめてから公開させていただきます。(講習内容の公開は許諾済み、お名前、所属等は略)
とりあえず概要と言うのか、今日の講習で良かった点は、行動療法的な対応に対して感じていた自分なりの疑問が、今日のタイトルの「遊び」=行動の前後の指示や誉めるプロセス無しで、活動自体が強化子となり維持される子供の自発的な楽しい行動、ということと結びつく事で、納得ができたように感じた事ですね。また、先生が脳科学的なアプローチの御研究もされていて、最新の知見として、笑顔の効果についてのくだりが良かったですね。不安や恐怖の感情を司るところが脳の扁桃体という部位に有り、自閉症の子供さんの場合、ここがうまく働かなくて、パニックになりやすいという研究があるそうですが、この扁桃体は、身近な人の笑顔によって一番活性化するらしい。(でも、他人の感情の状態を感じ難いところがある場合は、どうなんだろうと想像もするが)
そのような明るい刺激によって脳のシナプスのつながりが増え、つながりが増える事によって脳の回路が複雑化し、感情の抑制ができるようになるらしい。脳細胞自体は増える事はないけれど、シナプスのつながりは、大人になってからでも、そのような刺激によって増えるので、どの時期からでも、適切な対応があれば、行動の問題も改善していくから、あきらめないことと強調されていました。
また、今日のお話でも、以前受けた行動療法の講習でも、自分なりに一番難しい点として感じたのは、行動の問題に対して、周囲が過敏に反応しすぎない=弱化する、というところの、こちら側の心の有り様ですね。これは言葉で書くのは簡単に書けるけれど、なかなか実践は難しいし、感じ方はそれぞれの方によって、異なるでしょう。子供への冷静なメタな視線だけでも無いし、愛情だけでスキルが無いと、これもうまくはいかないだろうし、親や対応する周囲の方の、継続的な訓練や意識化が要請されるところですね。先生の御経験からのお話に胸が熱くなるところもあり、感動しました。感謝です。
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20061213/memo